前回のお話では、まずは自分がどのような時に怒りやすいのか知るところから初めることが大切、ということでしたが、そもそもなぜ人は怒ってしまうのでしょうか……?です。

2017.09.27
第3回

怒るのではなく、思いを正しく伝えること

嶋津
「喜怒哀楽」という言葉があるように、怒りの感情って人が生きていくうえで大切な感情の一つですよね。ですから「怒らないことが大切」ということではなく、「表現、表出の方法に良い悪いがある」それだけなんですよね。
嶋津
ただ、そもそも怒らないように練習していくことも大切です。僕自身もそうだし、周りにもすっかり怒らなくなった人がたくさんいるので、今では怒りをあらわにする人に会うと、なんでこの人は怒ってしまうのかって感じるくらいです。
嶋津
その人の中で「私はこの人に怒っていい」と自分の中で許可をしているから怒っているんです。その許可を自分に下さないこと。そうすることによって、感情はいくらでもうまく表現できるようになります。
LICO
怒りをコントロールして、怒らなくすることができるって断言してくださって、すごく心強いですね。本当にできるんだなって!
嶋津
めちゃくちゃ短気な僕ができましたから。そして実は、今でも短気です。ただ、コントロールの仕方がわかって身についているので、いまや温厚なタイプだと思われているんじゃないでしょうか(笑)。
LICO
それはご自分で我慢をして、ストレスをためていらっしゃるわけではないんですよね?
嶋津
そうですね、怒らないことによって逆にストレスがたまるんじゃないですかって、よく聞かれるんですが、全然違います。
嶋津
そう聞いてくる人は、怒るということと、ストレスがたまるということの相関関係を誤解しているんですよね。人に対して怒りをぶつけないことによってストレスがたまるんじゃなくて、怒りという感情の陰で自分の本来伝えたかったことを伝えていないからストレスがたまるんです。
嶋津
だから、僕は怒ることはせずとも、伝えたいことはちゃんと伝えます。だからストレスはたまらないんですね。
LICO
言いたいことを我慢しているからストレスがたまるんですね。それを、言っていいと親が勝手に自分に許可してしまい、子どもに向けてしまう、と。
嶋津
そうですね、伝え方はすごく大切です。「こうするな」「ああするな」ではなくて「こうしてほしい」「こうしたら、もっとこうなんだ」というように、してほしくないことでなく、してほしいことにフォーカスをして子どもにちゃんとリクエストする。そういう伝え方が大切なんですよね。
LICO
同感です!「しないでね」や「これはダメだよ」と言っても、結局子どもはどうしたらいいのかがわからない。こちらが取ってほしい行動がわからないと、結局子どもは同じことを繰り返してしまいます。
LICO
「何回同じこと言わせるの!」って、お母さんもイライラしちゃって、子どもも戸惑うだけ。明確に子どもがわかるよう、かみ砕いて伝えてあげることが大切だなと思いますね。
嶋津
はい、まさにその通りですね!
インタビュアー:吉満明子(株式会社センジュ出版)
撮影:大崎聡(株式会社Shin irai)
してほしくないことではなく、してほしいことをわかりやすく伝えることが大切、というお話でした。まずは怒る気持ちをぐっと堪えて、子どもがわかるように丁寧に明確に伝えてみてください。きっと日々のコミュニケーションの質が変わるはずです!
(こそだてDAYSママスタッフ)
嶋津良智
アンガーマネジメントアドバイザー
日本リーダーズ学会代表理事、上司学のプロフェッショナルとして、今メディアでも大注目の“感情&行動コントロール” メソッド。 『イラオコダイエット』の開発者。国内、海外で講演・企業研修・コンサルティングをおこない、メディアにも多数出演。 多くの子育て中のママからイライラを救っている。 シリーズ100 万部のベストセラー『怒らない技術』をはじめ『子どもが変わる 怒らない子育て』(フォレスト出版)、 『7 日間イラオコダイエット』(EVO 出版)など、著書累計は26 冊で140 万部を超える。
ハピニコマスター★ヨンヨンの
7 日間イラオコダイエット
¥999(税込み)
「イラオコは減らせる! 」を合言葉に、感情のコントロール自分の「イラオコ」との向き合い方を楽しくレクチャー。 今までの本では普通のママには理解が難しかった怒らない技術を、誰でも簡単にチャレンジできるようにし、日本の育児をもっと楽しく、ラクにしていきます!
LICO(リコ)
作家/子育てアドバイザー
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40,000 人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120 万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 4人の子どもを育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。
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