本当は大好きなはずの子どもに、ママやパパはなぜ怒ってしまうのでしょうか。その根底にあるものについて、嶋津さんとLICOさんの考えを教えていただきました。
子育てが平和な未来をつくる
- 嶋津
- 「人は自分で感情を選べる」というお話を第1回目(第1回 怒りはその表現方法を選べる)にしましたが、ここでひとつ例をご紹介します。
- 嶋津
- たとえば会社で部下にしょっちゅう怒っている上司がいて、ある日その上司が仕事でミスをしたとします。いつも怒られている部下はその上司に対して「上司のくせにミスするんじゃないよ!」って文句を言えるのかっていったら、言えないですよね。これは自分が上司より下の存在だからです。
- 嶋津
- この例は子育てにおいても当てはまります。子どもに怒るということは、無意識のうちに子どものことを自分より下に見ていて、「子どもだから怒っていいんだ」って自分に許可してしまっている状況なんですね。
- 嶋津
- 「叱る」ことは必要で、教育でもあります。でも「怒る」っていうのは、僕はある意味「暴力」とも言えると考えています。
- LICO
- ママたちが、本当は大好きなはずの子どもに怒ってしまったり、当たってしまったりするのはなぜだと嶋津さんは思いますか?
- 嶋津
- それはやっぱり「子どもだから怒っていいんだ」って自分に許可を出してしまっているからだと思います。僕は父親で、微妙な部分はわからないですが、やはり母親は“自分のおなかを痛めて産んだ子ども”という意識が強いと思います。
- 嶋津
- だから自分の子を「立派に大切に育てなきゃ」という責任感やプレッシャーが父親以上にあったりするのかもしれません。
- 嶋津
- 僕がお会いしたママの中には、子どものことをひとりの人間としてではなく自分の分身のような存在と捉えている方もいました。ご本人は「しつけ」とおっしゃっていましたが、それはしつけというよりも、単に、怒りを子どもにぶつけてしまっているだけに見えました。
- 嶋津
- しつけと怒りの区別がつかなくなってしまって、「この子のため」と無意識のうちに自分を正当化してしまっていると思います。
- LICO
- 子どもは、ママがちょっとキツく怒っても、ママのこと許してくれる存在ですよね。それを、たぶん本能のような見えない何かでママは知っていて、そこに甘んじて、勢いで感情を出してしまうんだろうなって思います。
- LICO
- でもやっぱり、何歳だろうとひとつの人格を持った、自分とは別の人間だというのをきちんと理解して、接するのが大切かなと思います。
- 嶋津
- おっしゃる通りだと思います。そういえば先日、知り合いのママが「私は子育てをしているとは思っていなくて、将来日本を背負うリーダーを育てていると思っている」とおっしゃったんですよ。そこまで思えるってすごいことですよね。
- LICO
- そうですね!リーダーとまでは言いませんが、私も似たような気持ちで今の子どもたちが愛情で満たされて、みんな思いやりの心を持った子たちでいられたら、いつか世界は平和になるんじゃないかなって、ちょっと真剣に思うんです。
- LICO
- 世界平和を導くために日々子どもを育てている、なんてなかなか簡単には思えないんですけどね。長い目で見て、目の前にいる子どもが将来世界の中でどんなふうに輝くのかを考えると、(未来ある子どもを育てる)“ママ”という仕事って、ものすごく立派で素敵なんですよね。そのことを世の中のママたちに伝えたいです。
- 嶋津
- ママもパパも、子育てに携わる人、一人ひとりがそんな風に思えたら、子育てもますます楽しくなりそうですね!
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嶋津良智アンガーマネジメントアドバイザー
- 日本リーダーズ学会代表理事、上司学のプロフェッショナルとして、今メディアでも大注目の“感情&行動コントロール” メソッド。 『イラオコダイエット』の開発者。国内、海外で講演・企業研修・コンサルティングをおこない、メディアにも多数出演。 多くの子育て中のママからイライラを救っている。 シリーズ100 万部のベストセラー『怒らない技術』をはじめ『子どもが変わる 怒らない子育て』(フォレスト出版)、 『7 日間イラオコダイエット』(EVO 出版)など、著書累計は26 冊で140 万部を超える。
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ハピニコマスター★ヨンヨンの7 日間イラオコダイエット¥999(税込み)
- 「イラオコは減らせる! 」を合言葉に、感情のコントロール自分の「イラオコ」との向き合い方を楽しくレクチャー。 今までの本では普通のママには理解が難しかった怒らない技術を、誰でも簡単にチャレンジできるようにし、日本の育児をもっと楽しく、ラクにしていきます!
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LICO(リコ)作家/子育てアドバイザー
- 「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40,000 人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120 万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 4人の子どもを育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。