ママの不調は鉄のチカラで解決!? 貧血の予防と対策をご紹介します
妊娠中や産後のママは、赤ちゃんの細胞づくり、出産による出血や授乳などによって、貧血(鉄欠乏性貧血)に陥りやすいもの。鉄分不足は、倦怠感や疲労感、頭痛、イライラの原因になります。 今回は多くの女性の悩みである貧血について、体に必要な鉄分の摂取量や効果的な食べ物、貧血症状がひどい場合の対処法・治療法についてご紹介します。
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ママの体に必要な鉄分量って?
貧血予防のためには、どれくらいの鉄分が必要なのでしょうか。
成人女性(20~49歳)が1日の食事から鉄を摂取する量は、10.5mgが目安といわれています。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」によると、妊娠中から授乳期の女性が1日の食事から鉄を摂取する推奨量は、以下のように示されています。
妊娠後期には1日の鉄分推奨量が21.4mgとなり、なんと妊娠前よりも倍以上の鉄分が必要!
そして出産後も、授乳によってママの体から鉄分が失われるため、なるべく意識して鉄分を摂取する必要があるのです。成人男性の場合、推奨摂取量は7.5mg。月経や出産、授乳を経験する女性の体は、いかに多くの鉄分を必要としているかが分かります。
慢性的な不調でイライラなども起こりやすくなる貧血。ママの心と体が元気になって育児パワーをアップさせるには、鉄分が必須といえるでしょう。貧血の予防や改善に効果的な食べ物は?
鉄分が多い食品といえば、ほうれん草やプルーン、ひじきなどが思い浮かびますよね。 実は、それらの植物性食品に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」と呼ばれ、体への吸収率があまり高くはありません。食品から鉄分を補給したい場合は、赤身の肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」を意識して摂るのがおすすめです。
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※レバーや赤肉、赤身の魚など(体への吸収率25%程度)
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※非ヘム鉄:野菜や卵、牛乳など(体への吸収率3~5%)
動物性食品をたくさん摂れば解決…ではありません!
貧血予防に効果的とはいえ、動物性食品を“大量に”摂取することはおすすめしません。
特に妊娠中や妊娠を希望する方は注意が必要です。妊娠初期にレバーなどに含まれるビタミンA を摂りすぎると、胎児に先天奇形が起こる可能性があるといわれているためです。
妊娠を希望する方や妊娠3か月以内の方は、レバーは一切れにするなど、食べる量に気をつけましょう。鉄分吸収率が低い非ヘム鉄の食品は食べなくてもいいの?
いいえ、そんなことはありません。
非ヘム鉄の食品も、鉄分の大事な供給源。そして鉄以外にも必要な栄養素がたくさん含まれています。大切なのはバランスよく食べることです。
ビタミンCは鉄分の吸収率を高めてくれるので、レモンやパプリカ、ブロッコリー、キウイなどと一緒に非ヘム鉄の食品を食べるなど、組み合わせを工夫をしながら取り入れてみましょう。貧血予防に!おすすめメニュー
- レバニラ炒め
- あさりとほうれん草のパスタ
- カツオのたたき (大葉、玉ねぎ、長ねぎなどの薬味と一緒がオススメ!)
- ひじきと大豆の煮物 など
動物性食品と植物性食品をバランス良く組み合わせて食べることがポイントです。
妊娠中にカツオは食べてもいいの?
メカジキやクロマグロ(本マグロ)に比べ、含まれる水銀量が少ないカツオは赤ちゃんへの影響が心配ない魚。鉄分をはじめ妊婦さんにうれしい栄養素がたくさん含まれています。
お刺身などの生食は食中毒のリスクがあるので、心配な方はなるべく火を通したメニューでいただきましょう。鉄分補給サプリメントや薬もうまく取り入れて
理想は“鉄分を意識しつつバランスの取れた食事”ですが、毎日の食卓に取り入れるのは簡単ではありません。
そんなときは、手軽に摂取できる鉄分入りの飲料やサプリメントなどの補助食品を上手に利用するのもおすすめです。
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DHC ヘム鉄 90日分
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森永 1日不足分の鉄分 のむヨーグルト プルーン
サプリメントの過剰摂取に注意
貧血にはとにかくたくさんの鉄分を摂ればいいのでしょうか?
答えは「No」。摂り過ぎた分は吸収されずに排出されます。また、過剰になると腸内環境に負担がかかることもあります。
何事も“過ぎたるは猶及ばざるが如し”。用法・用量は必ず守るようにしましょう。貧血症状が改善しない場合は?
貧血がなかなか改善しなかったり、症状が重かったりする場合は、他の病気が関係していることも考えられます。
気になる場合は、一度、医療機関を受診してみましょう。貧血を引き起こす主な疾患
- 月経異常(頻発月経、過多月経)
- 子宮筋腫
- 痔
- 潰瘍 など
貧血症状は何科を受診すればいいの?
何科に行けばいいか迷う場合、まずは内科を受診すればOKです。
生理の経血量が気になるなど女性特有の悩みもある場合は婦人科へ、妊娠中の方は産婦人科の主治医に相談しましょう。
症状によって、鉄剤の薬の処方や、鉄剤注射などで治療をすることになります。
貧血を「いつものこと」と放置せず、医師の指示に従って適切な治療を受けてくださいね。
貧⾎を予防するため、日ごろからバランスのよい食事を意識しましょう。また、サプリメントや鉄分入りの飲料やお菓子なども、忙しいママたちの強い味方。上手に利用しながら貧血に負けない体づくりをしましょう。