麻しん(はしか)感染者が増加中!症状や予防法を解説します
2024年3月現在、東京や大阪をはじめ、全国で相次いではしかの感染者が確認されています。麻しんウイルスは感染力が非常に強く、空気感染等により、簡単に人から人に感染します。麻しん(はしか)の特徴や症状、対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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麻しん(はしか)とは
麻しん(はしか)は麻しんウイルスによって引き起こされる急性の感染症で、感染力が極めて強い病気です。免疫がない場合、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで感染することがあります。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%が発症します。
麻しん(はしか)の症状
最初は高熱、咳、鼻水、結膜充血、目やになどの症状が現れます。発熱は一旦下がり、その頃に麻しん特有の白いブツブツが口の中の頬粘膜に現れます。その後、熱は再び上昇し、高熱とともに体中に発しんが出現します。発しんは赤みが強く、やや盛り上がっており、徐々に発しん同士がくっつきます。
赤い発しんが消えた後に褐色の色素沈着がしばらく残るのも特徴です。発熱は発しんの出現後3〜4日持続し、通常7〜10日の経過で回復しますが、肺炎、中耳炎、熱性けいれんを合併することがあります。また、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われるため、注意が必要です。
麻しん(はしか)の流行時期は?
麻しん(はしか)は、かつて毎年春から初夏にかけて流行が見られていましたが、平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されてからは、海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっていました。
しかし今般、海外において麻しん(はしか)の流行が報告されており、特にヨーロッパ地域や東南アジア地域での患者報告数が増えています。2024年3月現在、日本でも各地で麻しん(はしか)の感染者の報告が相次いでいて、海外から帰国した人や、観光で入国した人などから感染したとみられています。
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麻しん(はしか)に感染したら?
麻しん(はしか)の感染経路
病原体となる麻しんウイルスが、空気感染、飛沫感染、接触感染により感染します。
麻しんの感染者に接触した場合72時間以内に麻しんワクチンの接種をすることなどで、麻しんの発症を予防できる可能性があります。接触の可能性がある場合は、かかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、その指示に従いましょう。
麻しん(はしか)の症状がある場合
発しん、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しん(はしか)の疑いがあることを電話等で医療機関に伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従いましょう。
麻しん(はしか)は感染力が極めて強い感染症です。周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、医療機関にかかるときは、公共交通機関の利用を可能な限り避けるようにしましょう。
麻しん(はしか)にかからないための対策や予防法は?
麻しん(はしか)の唯一の予防方法は、麻しんのワクチン(一般的にはMRワクチン)を受け、免疫をあらかじめ獲得しておくことです。
麻しん(はしか)は、空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれの感染経路でも感染します。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで完全に予防することはできません。麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)について
麻しん(はしか)と風しんが予防できる麻しん風しん混合(MR)ワクチンは、1歳から予防接種を受けることができ、定期接種の期間中は無料で受けられます。
第1期1歳の誕生日当日〜2歳の誕生日前日までに1回
第2期小学校入学前の1年間に1回
※麻しん(はしか)が流行中の国に渡航する場合や、お住まいの地域で大流行しているなどの場合は、自費で生後6か月からでも受けられます。ただし、0歳での接種は免疫のつき方が十分でないため、1歳になったら再度接種することになります。かかりつけ医とよく相談し、接種するかどうか決めましょう。
また、定期接種対象者の子どもだけではなく、大人も、母子健康手帳などで自分がはしかのワクチン接種を2回完了しているかどうか、罹患歴があるかどうかを確認したうえで、必要な場合はワクチンの接種を検討しましょう。
妊娠中は麻しん(はしか)のワクチン接種ができません
妊娠している方が麻しん(はしか)にかかると、流産や早産を起こす可能性があります。しかし、妊娠中は麻しんのワクチン接種ができません。
感染が心配な場合は、麻しん流行時の外出を避け、人込みに近づかないようにするなどの注意が必要です。
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