りんご病ってどんな病気?症状は?感染したらどうする?【保健師監修】
りんご病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。子どもに多い病気で、両頬がりんごのように赤くなるのが特徴です。冬から初夏にかけて症例数が増加する傾向にありますが、2024年は11月に入り患者が急増するなど、年によって若干のパターンの違いがあり、はっきりした季節性がみられないこともあるため注意が必要です。りんご病の症状や対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。【保健師監修】
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りんご病とは
りんご病は、正式名称を伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)といい、ヒトパルボウイルスB19により引き起こされる感染症です。冬から初夏にかけて発生することが最も多く、子どもを中心に流行する発しん性の病気です。
りんご病の症状
りんご病の潜伏期間は10〜20日といわれています。最初は微熱・倦怠感などの風邪のような症状があり、7〜10日後に両頬がりんごのように赤くなって、腕や太ももにも発しんが出ます。はじめはプツプツした発しんで、その後、ほかの発しんと合体して赤い網目状・レース状のような模様になります。風邪のような症状の時期に感染しますが、発しんが現れる頃にはほぼ感染力がありません。
りんご病の感染が多くみられる年齢
りんご病は特に5〜9歳頃の学童期の子どもに発生することが多く、次いで0〜4歳の乳幼児に多く見られます。稀に大人がかかることもあり、大人が感染すると、典型的な紅斑は、頬ではなく手足や体全体に現れやすく、また、リウマチのような関節の腫れ・痛みが出る場合があります。
りんご病の流行時期
りんご病は、冬から初夏にかけて症例数が増加する傾向にあります。国立感染症研究所によると、日本では5年ごとの流行周期で発生数の増加がみられていますが、2024年は11月に入り患者が急増しており、年によって若干のパターンの違いがあります。流行が少ない年には、はっきりした季節性がみられないこともあるため注意が必要です。
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りんご病に感染したら?
りんご病に特別な治療法はなく、症状に合わせた対症療法が中心です。基本的には微熱・倦怠感などの軽い症状の病気のため、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。
また、発しんが出る前の風邪のような症状の時期が最も感染力が強いとされており、紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がありません。そのため、風邪症状がみられたら、りんご病かどうかにかかわらず、咳エチケットやこまめな手洗い、マスクなどでウイルスを広げないように気を付けましょう。妊娠中の女性は特に注意を
りんご病は、妊娠中の女性の半数以上が免疫を持っていないと言われています。これまでりんご病に感染したことがなく免疫を持っていない女性が妊娠中に感染した場合、胎盤を経ておなかの赤ちゃんにも感染し、胎児水腫等の重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性もあります。保育園や学校など周囲でりんご病の流行がみられる場合、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性は、風邪症状の方との接触をできる限り避けるようにしましょう。
りんご病で保育園や幼稚園を休む期間は?
りんご病は、特に出席停止の期間が定められている病気ではありませんが、登園の目安は「全身状態が良いこと」とされています。ただし、病状により医師が感染の可能性がないと認めるまでは登園・登校停止の措置が必要になる場合もありますので、医師の指示に従うようにしましょう。また、保育園や幼稚園によっては登園禁止期間を設けている場合もあります。りんご病と診断されたら、通っている保育園や幼稚園に確認しましょう。
りんご病にかからないための対策や予防法は?
りんご病には有効なワクチンや、予防できる薬がありません。咳やくしゃみなどによる飛沫感染、手指を介して感染する接触感染により広がりますので、流水と石けんで十分に手を洗い、うがいをしっかり行って感染を予防しましょう。 咳やくしゃみなどによる飛沫感染、手指を介して感染する接触感染により広がりますので、流水と石けんで十分に手を洗い、うがいをしっかり行って感染を予防しましょう。