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産後ケアとは?産後ケア事業や民間ケアサポートの内容をご紹介します

産後ケアは、出産後のママの心身をケアし、育児をサポートする取り組みです。 日本では、行政や民間企業による様々なサービスが提供されています。この記事では、代表的な産後ケア事業や民間サポートについて紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

2025.02.11
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産後ケアとは?

出産後のママは、体に大きなダメージを受けているので、すぐには日常生活に戻ることができません。本来、産褥期(さんじょくき)は母体回復が最優先で、家族の協力を得ながら最低限の育児を行う期間です。しかし、家事や育児をサポートしてくれる家族が近くにいなかったり、上の子のお世話が必要だったりして、十分に休息を取れないママも多くいます。
「産後ケア」は、そんなママの心身をケアし、育児をサポートするための取り組みです。ママが必要な休息を取って、心身ともに元気を取り戻せるよう導くことが目的です。市区町村が主体となって実施する「産後ケア事業」や、民間企業によるサービスなど、さまざまな形態があります。

赤ちゃんを抱っこしたママと、近くに笑顔で寄り添う年配の女性のイラスト画像
産後ケアの目的は?なぜ必要?

かつての日本では、結婚後に女性は夫の家へ入り、祖父母を含む家族や近隣住民と一緒に子育てをしていました。しかし、現代は核家族化が進み、実家が遠方で頼れる人がいない家庭も少なくありません。また、共働き家庭が増え、産後すぐに仕事復帰する女性も多くなりました。パパは仕事で忙しく、ママひとりに家事や育児の負担が集中すると、ホルモンバランスの乱れによって産後うつやマタニティブルー(マタニティブルーズ)に陥ることがあります。産後ケアは、ママの心身の回復と赤ちゃんの健やかな成長にとって不可欠で、重要なサポートです。

産後ケアは国の重要課題

母子保健法の改正(令和元年)により、令和3年度から「産後ケア事業」の実施が市区町村の努力義務となりました。この事業は、少子化社会対策大綱において2024年(令和6年)度末までの全国展開を目指すとされており、令和4年度時点で約84%の市区町村が事業を実施しています。さらに、令和7年度からは子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)の「地域子ども・子育て支援事業」に位置付けられることになり、産後ケアを必要とするすべての方が利用できるように整備が進められています。

こども家庭庁「産後ケア事業について」(令和6年11月20日)
こども家庭庁「産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)
【事務連絡】「地域子ども・子育て支援事業」における産後ケア事業の実施について(令和6年9月2日)



市区町村が実施する産後ケア事業

各市区町村では、ママと赤ちゃんの健康をサポートするための事業を行っています。基本的に各市区町村が地域の医療機関などと連携して実施しているため、名称や提供できるサービス内容、料金も異なります。また、実施していない場合もあるので、お住まいの市区町村に確認してみましょう。

ここでは、一般的なサービス事例をご紹介します。

施設でサービスを受ける
場所

病院 / 診療所 / 助産所 / 産後ケアセンター / 保健センター など

内容

ママと赤ちゃんが施設へ出向き、サービスを受けます。日帰りから宿泊まで対応しており、ママの体やメンタルのカウンセリング、マッサージ、乳房ケア、赤ちゃんのお世話(沐浴指導・育児指導)など、ママと赤ちゃんの様子に合わせたケアが受けられます。赤ちゃんを預けてママひとりで個室で休むことができたり、宿泊の場合は深夜でも専門スタッフに相談できたりする施設もあります。
パートナーやきょうだいなど、家族を同伴させることができる場合もあります。詳細はお住まいの市区町村に確認してみましょう。

  • 宿泊(ショートステイ)型:
  • ママと赤ちゃんが施設に宿泊し、ゆっくり過ごしながら各種サービスを受けます。宿泊可能な日数は原則7日以内で、分割して利用することもできます。また、市区町村が必要と認めた場合は、期間を延長することもできます。

    ベッドで休むママと、新生児のお世話をする年配の女性のイラスト画像
  • 日帰り(デイサービス)型:
  • ケア施設に通いながら、ママや赤ちゃんのケアサービスを受けられます。日中(10時頃~17時頃までの間)に実施されるのが一般的です。
    「個別型」と「集団型」があり、個別型は予約した時間に施設へ行って必要なサービスが受けられ、集団型は複数の利用者が同時に保健指導や育児指導を受けつつ、不安や悩みを共有したり情報交換をしたりする交流の場にもなっています。個別型と集団型を組み合わせることもできるので、目的に合わせて利用してみましょう。

    新生児の赤ちゃんを挟んで話をしているママと年配の女性のイラスト画像
利用方法

事前に各市区町村に申請をし、利用の際は対象の施設に行ってサービスを受けます。妊娠中に申請をしておき、出産後に受けたいサービスの内容や日程を決められる場合もあります。

利用料金

料金は、各市区町村により補助やクーポン券などが利用でき、比較的利用しやすい価格帯の場合が多いですが、宿泊は1泊3,000円~12,000円程度、日帰り(デイサービス)では1回・1日あたり1,000円~4,000円程度と、地域や施設、その他条件によって差があります。ご利用前に、お住まいの市区町村に確認をしましょう。


自宅でサービスを受ける
場所

ママの自宅

内容
  • 訪問(アウトリーチ)型:
  • 専門スタッフ(助産師や保健師)が自宅に来て、育児相談や授乳指導、沐浴指導など、ママや赤ちゃんのケアを行います。市区町村によっては、家事などを依頼できる産後ヘルパーの利用ができる場合もあります。自宅に来てもらえるため、体調が優れない場合や施設までの移動が大変なママでも利用しやすいのが特徴です。

    ソファに座って赤ちゃんのお世話をするママと、洗濯物を干している女性のイラスト画像
利用方法

事前に各市区町村へ依頼した日に、専門スタッフ(助産師や保健師)が自宅に来てくれます。

利用料金

料金は、各市区町村によって補助やクーポン券などが利用できます。ほとんどの場合、施設で行われる宿泊や日帰りサービスよりも短時間で、価格は安く設定されています。


民間企業などが実施する産後ケア事業

民間企業などでも産後ケアサービスを行っています。内容や料金は地域や実施企業によって異なります。

ここでは、主なサービス事例をご紹介します。

内容

リゾートホテルや旅館のような施設で宿泊または日帰りでケアサービスが受けられます。基本的に、希望する日程で滞在できることが多いです。24時間常駐の専門スタッフによる育児サポートのほか、ボディ・フェイシャルケアやアロママッサージ、骨盤ケア、産後ヨガ、ドリンクサービスや個室ランチなどの付帯サービスも充実しているのが特徴です。ラグジュアリーな環境でリラックスでき、体をしっかり休めることができるため、人気があります。中には、ママと赤ちゃんだけでなく、家族も一緒に滞在できる産後ケアホテルもあります。

豪華な食事を前にして喜ぶ女性のイラスト画像
利用料金

一般的には、各市区町村が主体となる産後ケア事業よりも、民間会社が運営している施設のほうがサポート内容は充実しています。その分、宿泊の場合は1泊30,000円~60,000円程度と、施設やサービスによって料金に幅があり、市区町村による費用の助成がないため、かなり高額になる場合もあります。

産後ドゥーラ

「産後ドゥーラ」という専門職があることをご存知でしょうか。産後ドゥーラとは、一般社団法人ドゥーラ協会から認定を受けた、産前産後の女性特有のニーズに対してサポートするための知識・技術を持った専門家のことを指します。産後ドゥーラは、産後だけでなく、妊娠中から女性に寄り添い、家事サポートから心身のケア、育児支援を行います。主に民間団体や個人がサービスを提供していますが、地域によっては各市区町村の産後ケア事業で産後ドゥーラのサービスを受けることができるので、市区町村のホームページや窓口で確認してみましょう。

内容
  • 日常的な家事(食事の支度・片付け、掃除、洗濯、食材や生活必需品の買い物など)
  • 赤ちゃんのお世話(授乳の手伝い、おむつ交換、着替え、沐浴など)
  • きょうだいのお世話や徒歩圏内の保育園・幼稚園への送迎
  • 通院などの付き添い、育児相談・助言、産後における生活設計の相談など
産後ドゥーラによる産後ケアサポートの様子のイラスト画像
利用料金

産後ドゥーラの利用料金は1時間あたり約3,000円です。中には保育士、栄養士、収納整理アドバイザーなどの資格を持つドゥーラもおり、希望する場合は料金が高くなることがあります。産後ドゥーラの利用に助成を行っている地域もあるので、お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認してみましょう。

※本記事はこども家庭庁「産後ケア事業について 令和5年11月22日」( https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/ce28e632-7504-4f83-86e7-7e0706090e3f/1d73c9a2/20231122_councils_shingikai_seiiku_iryou_tWs1V94m_04.pdf )、「産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン 令和6年10月」( https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d4a9b67b-acbd-4e2a-a27a-7e8f2d6106dd/c9cfc841/20241030_policies_boshihoken_tsuuchi_2024_80.pdf )、一般社団法人 ドゥーラ協会( https://www.doulajapan.com/ )を参考に、株式会社エヴォルブド・インフォが作成しています。
産後ケアは贅沢でも甘えでもなく、女性が受けるべきサポートです。しかし、誰にも頼らず、自分ひとり、あるいはパートナーと二人だけで産後を乗り切ろうと考える方もいるかもしれません。それは、出産で体に大きなダメージを受けたママが、慣れない育児でさらにエネルギーを使い果たすことになり、肉体的、精神的に追い込まれることになりかねません。そうなる前に、ぜひ産後ケアサービスの利用を検討してみてください。心や体の悩み、不安や心配事を専門スタッフに相談しながら、体を休めて温かいサポートを受けつつ、必要な休息を取りましょう。ママの健康は前向きな子育てにつながりますので、積極的に活用してくださいね。
(こそだてDAYS編集部)
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