子どものすり傷や切り傷に、最新の応急手当をご紹介します【保健師監修】
傷の手当てに消毒薬は逆効果かも?子どもが転んでケガをした時、ふと頭をよぎるのは、自分が子どもの頃に対応してもらった方法ではないでしょうか。令和の今、すり傷や切り傷に対する対処法はかなりアップデートされています。この記事では、子どもがケガをした場合の応急手当について解説していきます。ぜひ参考にしてくださいね。
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今は消毒薬や傷薬を使わない、が常識!?
子どもが転んでケガをした時、どうしていますか?
ひと昔前までは、傷口に消毒薬や傷薬を使い、乾かしたり絆創膏を貼ったりするのが一般的でした。
ところが今は、傷をきれいな水でしっかり洗って汚れを落とす、 傷を完全に乾かさず、少し湿った状態で治すなど、家庭での応急処置が変化しています。消毒薬や傷薬などを使うと、逆に治りが遅くなったり、跡が残りやすかったりすることが分かってきたのです。
この記事では、新しい応急手当の方法をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
傷の応急手当
傷口は流水でよく洗って清潔に
傷口に水を流しかけながら、砂や泥、木片などの汚れをしっかりと洗います。
よく泡立てた石けんで洗うこともおすすめです。石けんを使う場合は、傷口に泡が残らないようにしっかりすすぎましょう。
ばい菌による感染防止に一番有効な方法なので、子どもが痛がったり嫌がったりしても、なるべく丁寧に洗うようにしてくださいね。以下のようなケガの場合は病院を受診しましょう。
- 極端に不衛生な場所や物でケガをした場合
- 傷口の汚れが置くまで入り込んで洗い流しきれない場合
- 細かいガラスで傷がついているような場合 ・・・など
血が出ていたら圧迫止血
清潔なガーゼなどで傷口をしっかり押さえ、なるべく心臓より上に持ち上げます。血が出ている箇所を圧迫することで、止血しやすくなります。
- ※10分~15分ほど押さえても出血が止まらない場合は、病院を受診しましょう。
傷口を保湿
傷からしみ出てくる液(浸出液)には、傷を治す成分が含まれています。傷口をきれいにしたら、乾燥させないようにして、広めの絆創膏で覆いましょう。
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浸出液は通常、サラッとしていて、やや透明感があります(血と混ざる場合もあります)。
膿(うみ)と間違えるのでは?と思いがちですが、膿は黄緑色や茶色っぽくドロッとしていて、臭いがあり、痛みや熱を伴う場合が多いです。傷口が化膿して感染の恐れがある場合は、病院を受診しましょう。湿潤療法(しつじゅんりょうほう)を行う
湿潤療法とは、薬を使わずに洗浄後の傷口をフィルム材(市販の傷用パッドやラップなど)で覆い、傷口からしみ出てくる浸出液で保湿した状態を保つ治療法です。
湿潤療法を行う場合は、くれぐれもご注意を!
- 傷の状態によって、縫ったほうがいい場合や、深くてもそのままにしておいた方がいい場合もあります。迷ったら自己判断をせず病院を受診しましょう。
- 感染が疑われる症状がないか(患部周囲が赤くなる、熱をもつ、腫れや痛みが続くなど)、毎日よく観察してください。症状がある場合は病院を受診しましょう。
- 市販の傷用パッドは、小さな子どもには使用できなかったり、使用法に注意が必要だったりするものもあります。注意書きをよく読んで正しく使用しましょう。
- ラップは医療用ではないため、あくまでも応急処置と考えましょう。
こんな時は迷わず病院へ
以下のような場合は、すぐに病院(形成外科、外科、小児外科)へ行きましょう。
- 傷の範囲が広い
- 傷が深くぱっくり開いている
- 傷口の砂や木片、ガラス破片などの異物が洗い流しきれない
- 不衛生な場所や物でケガをした
- 動物に咬まれた
- 出血が多い
- 痛みや腫れがおさまらない
今はまず最初に、傷をきれいな水でしっかり洗って、汚れを落とすことが良いとされています。 消毒薬や傷薬などを使うと、逆に治りが遅くなったり傷あとが残りやすかったりするそうですよ。子どもがケガをした場合の最新の応急手当方法を、ぜひ参考にしてくださいね。