- 対象期間
- 出産時
- 費用・価格
- 分娩費用に含まれる
マンガ「会陰切開」
会陰切開とは?
会陰(えいん)とは、膣(ちつ)と肛門の間の皮膚のことです。
もともとは固く締まっていますが、陣痛が始まるとホルモンの作用で徐々にやわらかく伸びるようになります。出産時、赤ちゃんが子宮から腟を通って出てきますが、会陰の伸び方が十分でないと、会陰部が裂けてしまったり、赤ちゃんがなかなか出てこられず負担がかかったりすることがあります。そういったトラブルを予防するために、会陰部をあらかじめ切開する処置を行うことを「会陰切開(えいんせっかい)」といいます。会陰切開は全ての人に行うわけではなく、切開をしないで済む場合もあります。
会陰裂傷とは?
会陰裂傷(えいんれっしょう)とは、経腟分娩時に会陰部が裂けてしまうことをいいます。お産が急速に進み、切開が間に合わない場合に起こりやすいです。軽度であればそれほど問題ありませんが、裂傷がひどい場合にはお尻のほうにまで傷がおよび、治りも遅く、排便障害や性交時痛などの後遺症が残ることもあるため、その予防の意味で会陰切開は重要なのです。
会陰切開はどういう時にする?
- 出産時に会陰部が裂けてしまいそうな場合(これ以上伸びないというときなど)
- お産が長引き、赤ちゃんの心音に異常等があり、早く赤ちゃんを外に出したい場合
- 「吸引分娩」や「鉗子分娩」を選択する場合(早く赤ちゃんを分娩させるため外部の力で赤ちゃんを引き出すことになるので、切開して裂傷を防ぐ)
など
会陰切開については産院ごとに積極的に行う、極力行わないなどの方針があります。出産に際して、会陰切開に関する希望がある場合は、産院を選ぶ際のポイントにもなります。
会陰切開はどうやって行われる?
会陰切開は、母体、赤ちゃん、お産全体の状況をみて、医師が判断して行います。
切開する場合は赤ちゃんが出てくる直前に医療用ハサミで行います。会陰切開が必要と判断されれば、緊急時を除き、ほとんどの場合は局所麻酔を行います。麻酔を行うときも切開をするときも、陣痛が来たタイミングで行いますので、麻酔や切開自体の痛みを感じない人が多いようです。仮に麻酔をしない場合でも、通常はお産の痛みのほうが上回っているため、会陰切開による痛みを感じないことが多いです。
会陰切開は、切る方向により側切開、正中側切開、正中切開の3種類があります。
縫合~抜糸まで
産後、会陰切開した場所は、医師により縫合されます。
基本は赤ちゃんを取り上げて、医師による赤ちゃんの処置が終わり、母体から胎盤を出したあとで縫合という流れになります。多くは局所麻酔をしたうえで行います。ただし、部位により麻酔が効きにくいケースもあるようで、麻酔をしても痛みを感じる人はいるようです。
切開をした場合は比較的傷口がきれいであるため、縫合にそれほど多くの時間はかかりませんが、裂けた場合、状態によっては縫合に時間がかかります。
縫合に使う糸
どちらの処置をするかは病院によります。希望を言えば受け付けてくれる場合もあります。
溶ける医療用糸
1週間ほどで身体に吸収されるので、抜糸は不要です。
通常の医療用糸
抜糸が必要となります。抜糸は産後4~5日後、退院診察のタイミングで処置されることが多いです。抜糸をすると傷口の突っ張るような痛みが緩和されるケースがあります。
会陰切開の痛みと治るまでの期間
縫合時に麻酔をしていて痛みがなくとも、麻酔が切れれば当然痛みが襲ってきます。多くの場合、産後数日は痛みで歩くのも辛く、椅子に直接座れないこともあります。そのため、椅子に座る際はドーナツ型のクッション(円座)や授乳クッションを使い、傷口に椅子が触れないようにするといいでしょう。痛みが強い場合は、痛み止めを処方してもらいましょう。個人差はありますが、多くの場合、1週間ほどで傷はふさがります。1か月児健診の頃には痛みが引いていることが多いです。
-
円座クッション ドーナツクッション
- amazon
恐怖!産後のトイレ
会陰切開をしたあとのトイレは、尿のときはしみる恐怖、便のときは傷が広がる気がしていきめない恐怖があります。会陰が裂けてしまって傷が深い場合、余計につらいようです。拭きとるときに痛みもありますが、細菌などに感染するとトラブルの原因になるので、拭く時は前から後ろにし、患部の清潔を保つようにしましょう。
会陰切開をしないためにできること
「できることなら会陰切開をしたくない!」というママが大半だと思いますが、会陰切開をするかしないかは分娩に携わる医師が判断しますので、避けられない場合も多いものです。そのような中でも、ママ自身が妊娠中や出産時に意識してできることもあります。
妊娠中に会陰マッサージをする
会陰の伸びがよければ切開する必要はありません。臨月に入った頃からは会陰の伸縮性を高める「会陰マッサージ」を行なうことで、結果的に会陰切開をしなくて済むケースがあります。清潔にした手にオイルなどをつけて、親指を膣に挿入した状態で圧をかけながらゆっくりと広げていきます。これを週2~3回程度、行なうとよいとされています。ただし、会陰部への刺激はお腹の張りに繋がることもあるため、会陰マッサージをしてよいかどうか、する時期やタイミングについては必ず医師に相談しましょう。
出産時に必要以上にいきまない
出産時には、助産師や医師が指示をしたタイミングでいきみます。しかし、痛みや恐怖から逃れようとして、それよりも前のタイミングで強くいきんでしまうと、会陰裂傷に繋がってしまいます。初産の時には痛みでパニックになることも多く、なかなか難しいですが、助産師の指示に従い、正しい呼吸法を守ってリラックスすると、産道が緩んで赤ちゃんが通りやすくなります。
先輩ママに聞いた“会陰切開体験談”
2歳差の兄弟(男の子2人)のママさん
長男出産時に会陰切開をしました。といっても、出産中にいつの間にか切られていて(麻酔ナシだったと思います)、産後に主治医に「縫合するから麻酔するね~」と言われ、そこで初めて切ったことを知りました。
分娩中はアドレナリンが出ていたのか、切開自体は全く痛くなかったですが、産後の麻酔はチクっとした痛みを感じました。麻酔が効いた後の縫合は痛くなかったです。溶ける糸だったので、抜糸ナシでした。
次男出産時は会陰切開をしませんでした。ただ、分娩後に「少し上の方が切れたね。一応縫っておこうか」と先生に言われました。かすり傷程度だったようで1針だけ縫いましたが、傷口が前側だったので、ドーナッツ型クッションも使う必要がなく、トイレも全く問題なしでした。
5歳差の兄妹(男の子、女の子)のママさん
出産した産院は、経腟分娩では基本的に会陰切開する方針で、一人目も二人目の時も切られました(涙)。切るときは麻酔なしでしたが、ハサミで「バチン」と切られた感覚はあったものの、不思議と痛みはありませんでした。一人目の時は力強くいきみすぎてしまったようで、事前に切開していたにもかかわらず「肛門のほうまで裂けてしまっている」と言われ、痛み自体よりもその言葉を聞いて気絶しそうになりました…。
縫合時には麻酔をしてもらったので痛みはありませんでしたが、糸で突っ張られている違和感があったので、「早く終わらないかな…」と分娩台の上で思っていたのを覚えています。
切開時や縫合時の痛みは皆無でしたが、その後の傷の痛みは強く、一人目も二人目も産後1か月間はドーナッツ型クッションが手放せませんでした。授乳や食事の際はもちろん、車に乗るときや、産後の健診にも必ず持っていくほどでした。個人的には会陰切開したら、入院中にでもドーナッツクッションのネット購入をおすすめします!
まとめ
赤ちゃんに会えることをどれだけ楽しみにしていても、初めての出産は未知の世界で多くのママは恐怖も感じているもの。会陰切開もママの怖いもののひとつです。安全なお産のため、裂傷を防ぐために状況によっては必要な処置であることを知っておきましょう。知らない恐怖もあるので、論理的に知ることは心の準備にもなります。また、会陰切開をした場合には、産後も痛みが続くものだということも押さえておきましょう。
- Post
- シェア
- LINEで送る
なおファミリーの他のマンガを読んでみよう
他のマンガにもコメントが届いています。
良かったねー‼︎
大変〜
これで安全に支障がでたら、どうするつもりなんだろうね国は、従来の10歳まででいいよ