- 対象期間
- 妊娠22週未満
- 費用・価格
- 健診費用以外では、
① 稽留流産・不全流産に伴う手術は、二次感染などを防ぐ治療目的であるため保険適用の範囲内
② それ以外の流産に関する治療は自由診療
となる。
マンガ「流産」
流産とは
流産とは、妊娠22週未満にお腹の中の赤ちゃんが何らかの原因で亡くなり、妊娠が継続できなくなることをいいます。
日本産婦人科学会によると、全妊娠のうち、流産は15%程度で起こるといわれ、妊婦の年齢が高くなるほど確率が上昇します。決してめずらしい事ではありません。
流産の時期と原因の関係
早期流産(妊娠12週未満)
流産のうち、約90%はこの早期流産であるといわれ、そのほとんどは赤ちゃんの染色体異常が原因です。染色体異常による流産は受精の瞬間に決定しており、母体の生活習慣などの影響はほとんど受けないとされています。また、染色体異常は妊婦の年齢が高くなるほど確率が上昇するといわれています。
後期流産(妊娠13~22週頃)
後期流産は、子宮筋腫や頸管(けいかん)無力症などの疾患、飲酒や喫煙の生活習慣、転倒、過労やストレスなどがきっかけになることがあるといわれています。しかし、原因がはっきりと分からないことも多いようです。
流産の種類
流産には、原因や母体にあらわれる症状などに基づいた様々な分類や名称があります。
原因による分類
人工流産
いわゆる「人工妊娠中絶」のことを指します。母体の健康リスクなどを考慮して実施されるもので、手術は母体保護法指定医によって行われます。人工流産は保険適用外です。
自然流産
人工流産にあたらない、自然に発生した流産すべてをいいます。手術の有無は関係ありません。
母体の症状による分類
稽留流産(けいりゅうりゅうざん)
おなかの中の赤ちゃんは亡くなっていても、母体は出血・腹痛などの症状が出ていない場合を指します。自覚症状がないため、医療機関の診察で初めて確認されます。
進行流産
出血がはじまり、子宮内容物(子宮内にいた胎児など)が外に出てきている状態です。進行流産は、さらに完全流産・不全流産に分けられます。
流産の進行具合による分類
完全流産
子宮内容物がすべて自然に外へ出てしまった状態です。症状はおさまっていることが多く、経過観察のみで特別な治療が必要ないことが多いです。
不全流産
子宮内容物の排出が始まっているものの、まだ一部が子宮内に残っている状態です。出血・腹痛が続いていることが多く、外科的処置などが必要になることもあります。
流産の回数による分類
反復流産
流産を2回繰り返した状態のことをいいます。
習慣流産
流産を3回以上繰り返した状態のことをいいます。専門医療機関で精密検査を行うことも可能ですが、原因がはっきりしない場合が多いとされています。
その他の分類
感染流産(敗血性流産)
流産の前後または流産の最中に、子宮内で細菌などによる感染が起きた状態のことをいいます。母体のリスクが高まりやすいため、慎重な対応が必要です。
化学的流産
尿や血液を用いた妊娠反応は出たものの、超音波検査で妊娠が確認できる前(非常に早い時期)に流産してしまった状態です。妊娠と気付かず、月経と考えて過ごしてしまうことが多いと考えられます。特に治療は必要なく、経過を観察します。
切迫流産
切迫流産とは、妊娠は継続していますが、流産しかかっている状態のことをいいます。切迫流産の場合は妊娠を継続できる可能性があります。
流産の兆候・受診のタイミング
自然流産の初期兆候から、受診のタイミングについてご紹介します。
自然流産の初期兆候
流産の兆候とされる症状は、主に2つあります。ただし、流産のタイプや個人差によって、ほとんど症状が出ない場合もあります。
出血
鮮紅色または暗赤色の出血があります。月経時より多量の出血を伴う場合は、特に注意が必要です。
腹痛(お腹の張りや生理痛のような痛み)
何かのきっかけで子宮の筋肉が緊張してしまうと、お腹が張っていると感じたり、けいれん性の痛みが起こります。
受診のタイミング
少量の出血は胎盤が作られるときに起こる場合があり、問題ないことも多いですが、真っ赤な出血が止まらない、腹痛がある、お腹の張りが強い等の場合は、すぐに受診しましょう。
子宮外妊娠(異所性妊娠)について
出血や腹痛の症状は、子宮外妊娠の場合にもみられます。子宮外妊娠は子宮以外の場所に着床して妊娠してしまうことで、妊娠の継続ができないだけでなく、母体の命やその後の妊娠にも影響を及ぼすため、早期に適切な処置を受ける必要があります。
流産の確定と対応
流産を診断するには、医師による評価・超音波検査・血液検査等を行います。
流産が確定した後の流れ
医師による流産の確定後、不全流産の場合は子宮内に残る胎児・胎盤の排出が必要になります。完全流産の場合は特に処置は必要ありません。
妊娠12週未満の場合
胎児が自然に出てくるのを待つか、処置を行い胎児や胎盤のもととなるものを子宮外へ出す手術(子宮内容除去術)を行います。
子宮内容除去術とは
子宮頚管を広げ、胎児や胎盤・子宮内膜などを除去する手術です。
手術は30分程度で終わることが多く、日帰りまたは1泊程度の入院で処置を受けられます。体調が良ければ翌日から無理のない範囲で日常生活に戻ることができます。7~10日ほど出血が続くことがありますが、少量であれば問題ないとされています。
妊娠12週以降22週未満の場合
妊娠12週以降の場合、通常の分娩と同じ手法をとります。薬を使用して子宮収縮を促し、胎児と胎盤を排出します。
流産後の生活
月経の再開
子宮内容除去術を受けた場合、月経の再開は術後4~6週間程度とされています。
流産と次の妊娠
流産と次の妊娠については、特に因果関係はありません。染色体異常による流産は、多くの場合は偶然発生したものであり、次回も必ず異常が起こるとは限りません。
繰り返す流産には注意
反復流産・習慣流産など、繰り返し流産してしまう場合は、不育症(妊娠はするが流産・死産になってしまう)という疾患の可能性があります。不育症は治療によって高確率で子どもを授かることができるといわれていますので、医療機関で相談してみてください。
流産と向き合う
わが子を亡くしてしまった心の痛み・悲しみは計り知れません。ゆっくりと心の整理をしていきましょう。
水子(みずこ)供養について
水子とは、生まれてくることが出来なかった赤ちゃんのことを指します。水子供養は日本独自の慣習で、執り行う場合はお寺に依頼します。赤ちゃんが天国で幸せに暮らせるように祈りたい、流産や死産と向き合うために心の整理をしたい等、ご自身の気持ちに合わせて供養しましょう。
流産による経済負担と手当金
流産に関する手術(子宮内容除去手術等)は健康保険の対象になります。人工妊娠中絶は母体保護を目的としたものを除き、原則として自由診療となり、健康保険が適用されません。
また、次の手当金を受けられる場合もあります。健康保険組合やお住まいの市区町村、または勤め先などに確認してみましょう。
まとめ
流産は、残念ながら誰にでも起こり得ることです。授かった我が子を亡くした心の痛み・悲しみは計り知れません。どうか自分を責めすぎず、まずはゆっくりと心の整理をしてみてください。少しずつ事実を受け入れながら、再び前を向いて歩んでいけるよう願っています。
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良かったねー‼︎
大変〜
これで安全に支障がでたら、どうするつもりなんだろうね国は、従来の10歳まででいいよ