おたふくかぜワクチンの予防接種スケジュールは?いつから打てる?【保健師監修】
おたふくかぜわくちん
公開日 2025.01.06
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イラスト・ずんこさん
ずんこさん
対象期間
第1期:生後12か月以降(生後12か月~生後15か月が推奨接種期間) 第2期:小学校就学前1年間(5歳~7歳未満)
費用・価格
任意接種のため全額自己負担 ※市区町村によっては公費助成制度がある場合もある
おたふくかぜワクチンは、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を予防するワクチンです。このワクチンの接種によりムンプスウイルスに対する抗体ができ、おたふくかぜにかかりにくくなります。この記事では、おたふくかぜワクチンの概要、接種時期、副反応についてご紹介します。【保健師監修】【マンガ解説】

マンガ「おたふくかぜワクチン」

おたふくかぜを予防するためおたふくかぜワクチンを接種しましょうと話すおまめちゃんおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)にかかりが頬を押さえて泣いている子どもと、ムンプスウイルスに感染するとおこる耳の下の腫れや痛みが特徴だと説明するおまめちゃんおたふくかぜの経過の説明図、耳の下の晴は2~3日でピークに達し7日程度でおさまりますと話すおまめちゃんおたふくかぜは1歳から接種できるワクチンがありますが、自費で受ける任意接種です、市区町村によっては助成があると説明するおまめちゃんおたふくかぜは重篤な合併症を引き起こすこともあるため、1歳を過ぎたら予防接種をおすすめしますと話すおまめちゃんおたふくかぜは感染力が強いウイルスです、なるべくワクチン接種で予防するようにしましょうねと話すおまめちゃん

おたふくかぜワクチンとは?

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を予防するワクチンです。このワクチンの接種により、おたふくかぜの病原体であるムンプスウイルスに対する抗体ができ、おたふくかぜにかかりにくくなります。

おたふくかぜワクチン接種の費用

おたふくかぜワクチンは、接種するかどうかを自分で判断する任意接種のため、費用は全額自己負担です。最近では公費助成制度を設ける市区町村も増えています。

任意接種でも受けたほうがいい?

おたふくかぜワクチンは、日本ではまだ定期接種になっていませんが、WHOが定期接種にすべきワクチンと位置付けています。おたふくかぜは、髄膜炎や脳炎、難聴等の重篤な合併症を引き起こすこともあるため、接種をおすすめします。

おたふくかぜワクチンの接種時期・スケジュール

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチンについての図表、生ワクチンで任意接種という説明

おたふくかぜワクチンは1歳以降に受けることができ、計2回の接種が推奨されています。1回の接種だけでは免疫がつきにくいため、このワクチンが定期接種になっている国の多くは2回接種を実施しています。

1回目

1歳代に1回接種

2回目

小学校就学前(年長に当たる年齢)に1回接種

おたふくかぜワクチンの種類・接種方法

おたふくかぜワクチンの種類は生ワクチンです。接種は通常、皮下注射で行なわれます。

同時接種できるワクチン

予防接種スケジュール上、おたふくかぜワクチンと同時接種しやすいのは次のワクチンです。

1回目(1歳)

小児用肺炎球菌(4回目) / 五種混合(4回目) / 麻しん風しん混合(MR)(1回目) / みずぼうそう(1回目)
※5種類を同時接種で受けることもできます。

2回目(小学校入学の前年)

麻しん風しん混合(MR)(2回目)

おたふくかぜワクチンの副反応

おたふくかぜワクチンの副反応として、接種して2〜3週間後に熱が出たり、耳下腺(耳の下、頬の後ろ、あごの下など)が腫れる場合がありますが、自然に治ります。 おたふくかぜワクチンの接種後3週間前後に、数千人に1人の割合で、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)になることがあります。ただし、無菌性髄膜炎の発生率は、予防接種をせずにおたふくかぜに感染するよりもずっと低く、重症にもなりにくいため、予防接種を受けることが推奨されています。 また、重い副反応については、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、難聴、精巣炎などがまれに生じる可能性もあります。もし、高熱や体調の変化、その他異常に気づいた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。

おたふくかぜとはどんな病気?

おたふくかぜの正式名は流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)といい、感染力の強いムンプスウイルスに感染することでおこる、発熱と耳下腺の腫れを特徴とする病気です。ウイルスが全身の臓器や神経組織を侵して、無菌性髄膜炎・脳炎・難聴・精巣炎等の合併症を引き起こすこともあります。

おたふくかぜの原因と感染経路

飛沫感染、接触感染により、病原体となるムンプスウイルスに感染します。

おたふくかぜの主な症状と経過

おたふくかぜの症状の経過の図表

おたふくかぜにかかると、発熱と耳の下(耳下腺・顎下腺・舌下腺の唾液腺)の腫れ、痛みが起こります。片側が腫れ、数日後に反対側が腫れる場合が多いです。唾液の分泌により痛みが増します。 腫れは2〜3日でピークに達し、3〜7日間、長くても10日ほどで消えます。おたふくかぜにかかると、髄膜炎や脳炎・脳症などを合併することもあるため、注意が必要です。

まとめ

おたふくかぜワクチンは、日本ではまだ定期接種になっていませんが、世界中の多くの国では定期接種として2回接種しています。1歳の誕生日を迎えたらすぐに1回目の接種を行い、2回目についても対象年度の早期に接種することをおすすめします。他の予防接種との同時接種もできますので、スケジュールを確認し、計画的に予防接種を進めていってくださいね。


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保健師・SHIHOさん
保健師・SHIHO
10年以上にわたり自治体保健師として感染症や母子保健などの業務に従事し、多くの住民に寄り添い支援を行う。他にも、病院看護師としての臨床経験や学校保健師としての業務経験など、幅広く公衆衛生に従事する経験を持つ。現在、一人娘を育てながら、ICTを使ってより多くの人々の健康支援に寄与できるよう、育児コラムの編集・監修などにも活動を広げている。趣味は映画鑑賞。
ずんこさん
ずんこ
タイ在住の日本人漫画家、イラストレーター。 日本でマンガ家アシスタントなどを経験後、シンガポールのローカルアートスクールにてマンガの描き方を教える。現在はタイ・バンコクを拠点にマンガ・イラストの制作をしている。他にも、シンガポールやベトナムのイベントに、マンガ風似顔絵ブースで参加をするなど、マンガを通してさまざまな人達と交流していきたいと活動を広げている。
参考文献
日本小児学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 」
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=138(最終閲覧:2024/12/13)
MSDマニュアル家庭版「ムンプス(おたふくかぜ)」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/23-小児の健康上の問題/乳児と小児におけるウイルス感染症/ムンプス(おたふくかぜ)(最終閲覧:2024/12/13)

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