- 対象期間
- ひとり親家庭の子どもが18歳に達する日以降の最初の年度末まで(一定以上の障害のある子どもの場合は20歳未満)の制度が多い
マンガ「ひとり親家庭が受けられる手当や支援制度」
ひとり親家庭が受けられる手当や制度
シングルマザー・シングルファザーなどひとり親家庭は、仕事をしながら子育てもひとりで行っている方が多くいます。ひとり親は働き方が制限されるため、生活が厳しい傾向にあります。実際に、厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、シングルマザーの就労による年収は平均236万円程で、そこから生活費や家賃、子どもの教育費などを支払っている状況です。 国や各市区町村には、ひとり親の生活をサポートするためのさまざまな制度が用意されています。公的な手当金や助成金を最大限に活用していけるよう、主にひとり親家庭が受けられる子育て支援に関する制度や、受けるための条件などを解説します。
児童扶養手当
児童扶養手当は、父母の離婚や死亡などにより、父母どちらか一方からしか養育を受けられない子どものために、養育者に対して支給される手当です。受給するには所定の要件を満たしている必要があります。
児童扶養手当の対象者
児童扶養手当は、18歳に達する日以降の最初の年度末までの子ども(一定以上の障害のある子どもの場合は20歳未満)を養育しているひとり親家庭の母もしくは父、または、父母の代わりに子どもを養育している祖父母など(外国人の方も可)が対象です。
ただし、以下のいずれかに当てはまる場合は、受給が制限される可能性があります。
- 子どもが児童福祉施設などに入所している、里親に委託されている
- 父または母に内縁関係など事実上の婚姻関係がある人がいる
- 父と母、子どもが実際に同居している、またはそれに近い状態である など
児童扶養手当の支給額(月額)
児童扶養手当は、子どもの人数によって金額が異なります。また、親(養育者)の所得制限の基準が設けられている場合もあり、状況によって全額支給か一部支給、または不支給かが決まります。
児童数 | 全部支給 | 一部支給 |
---|---|---|
1人 | 4万5,500円 | 4万5,490~1万740円 (所得に応じて決定) |
2人目以降加算額 (1人につき) | 1万750円 | 1万740~5,380円 (所得に応じて決定) |
(令和6年11月分から) |
児童扶養手当が支給される月
児童扶養手当は、年に6回、奇数月(1月、3月、5月、7月、9月、11月)に、前々月と前月の2か月分の合計額を受け取ることができます。
児童扶養手当を受けるための手続き
児童扶養手当を受けるには、お住まいの市区町村の窓口で申請手続きをします。申請が遅れると、遅れた分の手当金を受け取れなくなる可能性がありますので、早めに手続きするようにしましょう。
申請に必要なもの
児童扶養手当の申請には、主に以下が必要になります。
- 申請者の本人確認書類(運転免許証・パスポート・在留カード等)
- 申請者、児童のマイナンバーカード(もしくは個人番号通知カード等)
- 申請者及び児童の戸籍謄本
※発行後1か月以内のもの、ひとり親になった事由(離婚、死亡等)の記載があるもの - 保護者名義の預金通帳(または金融機関と口座番号などがわかるもの)
- 公的年金等を受給されている方は、年金等給付額のわかる書類 など
※申請の内容によっては、その他の提出書類が必要になる場合があるため、事前にお住まいの市区町村に必ず確認しましょう。
継続して手当を受けるには
児童扶養手当の支給が始まった後、受給資格を継続するには、毎年8月に「現況届(げんきょうとどけ)」と呼ばれる書類を提出する必要があります。届出がないと手当を受けることができなかったり、提出が遅れると支給が遅れたりする場合もあるので、現況届の書類が届いたら、早めに提出するようにしましょう。
児童手当と児童扶養手当、特別児童扶養手当の違いは?
児童扶養手当と似た名称で、「児童手当」や「特別児童扶養手当」という制度もあります。どれも国から支給される制度ですが、支給対象と支給対象年齢に違いがあります。 それぞれは別の制度なので、条件に該当する場合は、児童手当と児童扶養手当、さらに特別児童扶養手当も同時に受け取ることが可能です。
児童手当とは
児童手当は全ての家庭を対象とした制度で、ひとり親家庭のみが対象の児童扶養手当とは対象範囲が異なります。児童手当は0歳から高校生年代(18歳に到達後の最初の年度末)までの子どもの養育者に支給されます。
特別児童扶養手当とは
特別児童扶養手当は、精神または身体に障がいのある20歳未満の子どもの養育者に支給される制度です。
ひとり親家庭等医療費の助成制度
ひとり親家庭等医療費の助成制度とは、ひとり親家庭の子どもと、その母もしくは父、または養育者が病院等にかかった際、医療費の一部負担金を助成してもらえる制度です。病院等の窓口で受給資格証(市区町村によって、受給者証、医療証など呼び方が異なる)と健康保険証を提示すれば、窓口での支払いが無くなったり、費用の一部の支払いで済んだりします。助成を受けられる対象者や内容については各市区町村によって異なりますが、一般的な内容をご紹介します。
ひとり親家庭等医療費助成制度の対象者
ひとり親家庭等医療費助成は、18歳に達する日以降の最初の年度末の子ども(一定以上の障害のある子どもの場合は20歳未満)と、その子どもを養育しているひとり親家庭の母もしくは父、または、父母の代わりに子どもを養育している祖父母など(外国人の方も可)が対象です。
ただし、以下のいずれかに当てはまる場合は、制度の対象外となる可能性があります。
- 生活保護を受けている
- 申請者および児童が健康保険に加入していない
- 子どもが児童福祉施設などに入所している、里親に委託されている
- 父または母に内縁関係など事実上の婚姻関係がある人がいる
- 申請者または扶養義務者の所得が、制度で定める所得制限額を超過している など
助成の内容・範囲
ひとり親家庭等医療費助成制度の内容や範囲は、お住まいの市区町村によって異なりますが、ひとり親家庭の子どもと、その母もしくは父、または養育者が病院等にかかった際、医療費の一部負担金が無料になったり、費用の一部の支払いで済んだりします。病院等の窓口で、ひとり親家庭等医療費受給者証と健康保険証を提示すればOKです。
ただし、予防接種や健康診断にかかった費用、入院中の食事代や差額ベッド代など、健康保険が適用されない医療費に関しては対象外であることが多いです。詳しい内容については、各市区町村の窓口やホームページなどでご確認ください。
ひとり親家庭等医療費助成制度の手続き
医療費助成制度を利用するには、お住まいの市区町村に申請をし、認定を受けて受給資格証の交付を受ける必要があります。
申請に必要なもの
ひとり親家庭等医療費受給資格証の申請には、主に以下の持ち物が必要です。
- 申請者、児童の健康保険証
- 申請者の本人確認書類(運転免許証・パスポート・在留カード等)
- 申請者、児童のマイナンバーカード(または個人番号通知カード等)
- 申請者及び児童の戸籍謄本
※発行後1か月以内のもの、ひとり親になった事由(離婚、死亡等)の記載があるもの - 保護者名義の預金通帳(または金融機関と口座番号などがわかるもの)
※その他、所得証明書や児童扶養手当証書などの提出も求められる場合があります。事前にお住まいの市区町村に必ず確認しましょう。
乳幼児医療費助成制度との違いは?
「乳幼児医療費助成制度」と「ひとり親家庭等医療費助成制度」は、どちらも病院等を受診した際の医療費を助成してもらえる制度です。しかし、乳幼児医療費助成制度の場合、親(養育者)の医療費は助成されず、さらに、子どもの医療費が助成される期間(対象年齢)が短い場合もあります。ひとり親家庭の場合は「ひとり親家庭等医療費助成制度」を利用しましょう。
ただし、所得制限などによりひとり親家庭等医療費助成制度の対象外となる場合もあります。そのときは、乳幼児医療費助成制度の申請を行いましょう。
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その他の手当・助成制度
ひとり親家庭の安定した生活を支えるため、国や各市区町村では、児童扶養手当やひとり親家庭等医療費助成制度などの子育て支援に限らず、生活支援、就業支援、養育費確保、経済的支援などの施策が推進されています。また、各都道府県や市区町村ごとに、独自の手当や制度も用意されています。
ひとり親家庭等支援制度の例
子育て・生活支援
- ひとり親家庭等生活向上事業
- ひとり親家庭等日常生活支援事業
- ヘルパー派遣、保育所等の優先入所
- 子どもの生活・学習支援事業等による子どもへの支援
- 母子生活支援施設の機能拡充 など
就業支援
- 母子・父子自立支援プログラムの策定やハローワーク等との連携による就業支援の推進
- 母子家庭等就業・自立支援センター事業の推進
- 能力開発等のための給付金の支給 など
養育費確保支援
- 養育費等相談支援センター事業の推進
- 母子家庭等就業・自立支援センター等における養育費相談の推進
- 「養育費の手引き」やリーフレットの配布 など
経済的支援
- 児童扶養手当の支給
- 小・中学校へ通う生徒(入学予定も含む)の学用品や給食費などの一部費用を援助する就学援助制度
- 交通費や通勤定期券などの補助、割引制度
- 住宅手当、家賃補助、家賃の貸付制度 など
ひとり親家庭を支援する制度を活用するために
ひとり親家庭へのさまざまな支援制度がありますが、何よりも、これらの支援を本当に必要とする方が、行政の相談窓口に確実につながることが大切です。こども家庭庁をはじめ、各市区町村では、分かりやすい情報提供や相談窓口への誘導の強化を行いつつ、ひとり親家庭の相談窓口において、実情を踏まえた、ワンストップで寄り添い型支援を行うことができる体制が整備されています。 子育てや生活で困ったり、迷ったりすることがあれば、まずはお住まいの市区町村窓口で相談してみましょう。
こども家庭庁「シングルマザー・シングルファザーの暮らし応援サイト」
まとめ
ひとり親家庭(シングルマザー・シングルファザー)を支援する制度について、代表的なものをご紹介しました。ひとり親家庭は、ママやパパがひとりで子育てと生計の維持を行っていることが多く、それによりさまざまな困難を伴っている方も少なくありません。国や各市区町村には、ひとり親家庭の安定した生活を支えるための制度が用意されていますので、子どもの健やかな成長のためにも、ぜひ積極的に活用してくださいね。
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がんばってくださいね!!☺️
私も今イボが足にできてて液体窒素は痛いから気持ちわかる
例えがすごいなー でもイライラしちゃうよねー