RSウイルス感染症ってどんな病気?症状は?感染したらどうする?
RSウイルス感染症は、0歳・1歳の子どもを中心に、秋から冬にかけて流行しやすい感染症です。最近では、夏から秋に流行のピークが見られるようになってきました。保育園や幼稚園での集団生活では、さまざまな病気をもらいやすくなります。RSウイルス感染症の特徴や症状、対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症(あーるえすういるすかんせんしょう)は、RSウイルスを病原体とする、乳幼児に多く見られる呼吸器の感染症です。
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症の症状は、発熱や鼻水・咳などの軽い風邪のような症状から重い肺炎まで、さまざまです。初めて感染発症した場合は重症化しやすいといわれており、細気管支炎、肺炎といった重い症状を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
RSウイルスの感染が多くみられる年齢
国立感染症研究所の調査によると、RSウイルスには生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもが少なくとも一度は感染するとされています。
生後6か月以内の乳児が感染した場合は重症化しやすいため、注意しましょう。また、低出生体重児、心臓・肺・神経・筋肉などに基礎疾患がある、免疫不全があるなどの場合も、重症化のリスクが高くなるといわれています。
RSウイルス感染症の流行時期
RSウイルス感染症は例年11〜1月にかけての秋冬に流行していましたが、最近では夏や秋に流行のピークがみられています。
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RSウイルス感染症は何度もかかる?
RSウイルス感染症は、一度かかっても十分な免疫が得られず、何度も感染と発病を繰り返します。国立感染症研究所によると、毎年6〜83%の子どもが再感染を経験しているという報告もあります。再感染・再々感染の場合は、徐々に症状が軽くなることが多いです。
大人にもうつりますが、軽い風邪の症状で済むことがほとんどです。-
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RSウイルスに感染したら?
RSウイルス感染症に特別な治療法はなく、症状に合わせた対症療法が中心です。
RSウイルスの潜伏期間は2〜8日(典型的には4〜6日)で、発症すると発熱や鼻水などの症状が数日続きます。水分不足にならないように特に注意しながら、安静にして経過をみましょう。
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多くは軽症で済みますが、以下のような症状が見られる場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。
- 咳がひどくなる
- ヒューヒュー・ゼーゼーなどの呼吸音(喘鳴:ぜいめい)がする
- 呼吸困難になる
- 食事や水分摂取ができない
また、乳幼児が初感染した場合は、細気管支炎、肺炎など重症化する恐れがありますので、注意しましょう。
RSウイルス感染症で保育園や幼稚園を休む期間は?
RSウイルス感染症は、特に出席停止の期間は定められていません。登園の目安は「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」とされています。熱がなくても、咳がひどい場合にはなるべく登園を控え、全身状態が安定してから登園するようにしましょう。
また、保育園や幼稚園によっては登園禁止期間を設けている場合もあります。RSウイルス感染症と診断されたら、通っている保育園や幼稚園に確認しましょう。
RSウイルス感染症にかからないための対策や予防法は?
RSウイルス感染症には有効なワクチンや、専用の治療薬などはありません(※)。咳やくしゃみなどによる飛沫感染、手指を介した接触感染によって広がります。発症の中心は0歳児と1歳児なので、流行時期でなくても、咳などの呼吸器症状がある場合、飛沫感染対策として大人はマスクを着用して子どもに接することが大切です。接触感染対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石けんによる手洗いは必ず行うようにしましょう。
※早産児や慢性肺疾患等のあるハイリスクな乳幼児等には、RSウイルスによる重症化を防ぐために予防薬を使用する場合があります。使用については医師の判断になります。
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