子どもが性被害を受けてしまったら?
近年、子どもが性被害に遭うリスクが高まっていることをご存じですか?
スマートフォンの普及によって盗撮やポルノ被害が起きたり、小学校低学年からスマートフォンを持つことで親の気付かないところで知らない人とSNSなどでやりとりをしていたり…。
今回は子どもの性被害の件数や日頃から気を付けたいこと、被害を受けた子どもが見せるサインなどをお伝えします。
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0~12歳の子どもの性被害は増加傾向
子ども家庭庁によると、2022年に発生した子ども・若年者の性暴力被害のうち、強制性交等罪の「認知件数」は1,655件です。このうち、10代以下が4割を占めています。さらに0~12歳では、2018年に比べて2022年は1.4倍になっており、小さな子どもが被害者になる事件は増加傾向にあります。
ちなみに「認知件数」とは、警察等捜査機関によって犯罪発生が認知された件数のことです。警察に届けていないケースや発覚していないケースも考えると、実際の発生件数はもっと多いといえます。子どもの性被害は身近な人でも気づきにくい
子どもの性被害は、親などの身近な人でも気付きにくいという課題があります。
- 人目につかないところで行われている
- 証拠が残りにくい
- 子ども自身に被害を受けているという認識がない
- 親しい人からの被害は子どもが隠そうとする
- 加害者に口止めされたり、脅されたりする
- 言うと叱られる・悲しませてしまうと思って言えない
また、小さな子どもでは言葉にすることが難しいため、親や大人に上手く伝えられず、気付くことができないケースもあります
性的グルーミングとは?
子どもへの性犯罪で注意したいことの一つに「性的グルーミング」という行為があります。 もともとは動物の毛づくろいを意味する言葉ですが、大人が性的な目的で子どもに近づき、親しくなることをいいます。子どもからの信頼を得て、さらには親も「親切な人」という印象を持ち、積極的に受け入れてしまうケースもあるので、注意が必要です。
※参考 2023年7月に刑法改正があり、「性的グルーミング」は正式には「面会要求等罪」という名称になりました。16歳未満にわいせつ目的で面会を求めれば1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金、面会すれば2年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金が課せられるようになっています。
性被害は、年齢・性別関係なく起きる
女の子に比べると男の子の性被害は、「遊び」や「いたずら」と軽視されてしまうこともあるのが実情です。大人に伝えたときに話を聞いてもらえないと、次から相談ができなくなり、被害に遭った子どもは、心に大きな傷を負ってしまうことも。
実際に、公共のトイレなどでは、一人でトイレに行けるようになった男の子を狙った犯罪も起きています。性被害は、年齢や性別にかかわらず、誰にでも起こり得ることを理解しておきましょう。性被害を受けた子どもが見せるサイン
被害を受けてしまったとき、うまく言葉にすることが難しい子どもは、トラウマの反応が心身の不調や問題行動として現れることがあります。特に、問題行動には何かしらのトラウマが背景にあるかもしれない、ということを知っておきましょう。
からだの変化
おねしょや頻尿、頭痛、腹痛、吐き気、一人で眠れない、夜泣き、睡眠時に叫び声を上げる、性器の痛みやかゆみ、食欲がない/食べ過ぎる など
こころの変化
元気がない、ボーっとする、ふさぎこむ、過剰に甘えようとする、集中力がなくなる、情緒不安定 など
行動の変化
落ち着きがない、モノを壊す、性的なことを避ける、性的な言動や遊びをする など
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