- 対象期間
- 第1期:生後6か月~7歳6か月未満(標準的には3歳〜4歳) / 第2期:9歳以上~13歳未満(標準的には9歳)
- 費用・価格
- 定期接種の場合は無料 / 任意接種の場合は全額自己負担
マンガ「日本脳炎ワクチン」
日本脳炎ワクチンとは?
日本脳炎ワクチンは、日本脳炎を予防するワクチンです。日本脳炎ウイルスは蚊を媒介して人に感染する病気のため、蚊の動きが活発になる夏には特に注意が必要です。しかし蚊に刺されないようにすることは難しく、かかると特別な治療法はないことから、予防接種が重要といわれています。日本脳炎ワクチンの接種により、日本脳炎の罹患リスクを75〜95%減らすことができると報告されています。
日本脳炎ワクチン接種の費用
定期接種の期間中は無料で受けられます。それ以外の期間は任意接種となり、全額自己負担で接種することになります。
日本脳炎ワクチンの接種時期・スケジュール
日本脳炎ワクチンは、「第1期」に3回と「第2期」に1回、計4回の接種を受けます
第1期(3回)
初回接種は生後6か月から接種できますが、標準的には3歳〜4歳の期間に6〜28日までの間隔をおいて2回接種します。
追加接種は、2回目の接種を受けてからおおむね1年を経過した時期に1回接種します。
第2期(1回)
第2期は、9歳〜13歳の誕生日前日までの期間、標準的には9歳に1回接種します。
日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について
日本脳炎ワクチンの普及と生活環境の改善により、日本脳炎患者の発生は最近少なくなっていますが、毎年各都道府県で実施されているブタの抗体保有状況をみると日本脳炎ウイルスは西日本を中心に広い地域で確認されています。
日本における日本脳炎ワクチンの定期接種の1期として接種可能な時期は生後6〜90か月となっており、希望すれば生後6か月以上であればいつでも接種可能です。
最近の小児の日本脳炎罹患状況をみると、熊本県で2006年に3歳児、2009年に7歳児、高知県で2009年に1歳児、山口県で2010年に6歳児、沖縄県で2011年に1歳児、福岡県で10歳児、兵庫県で2013年に5歳児の報告があります。また、2015年千葉県において生後11か月児の日本脳炎症例が報告されました。
日本脳炎流行地域(東南アジアなど)に渡航・滞在する場合や、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する場合は、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨されていますので、かかりつけ医とご相談ください。
日本脳炎ワクチンの種類・接種方法
日本脳炎ワクチンの種類は不活化ワクチンです。接種は通常、皮下注射で行なわれます。
同時接種できるワクチン
日本脳炎ワクチンの第2期は二種混合ワクチンの対象年齢(11歳〜)と近いため、同時接種が可能です。
日本脳炎ワクチンの副反応
日本脳炎ワクチンを予防接種した1〜2割の人に、発熱、注射部位が赤くなる、せきや鼻水が出る、という症状の報告があります。通常は数日でおさまります。 また、極めてまれですが、アナフィラキシー(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと)、急性散在性脳脊髄炎(脳や脊髄に炎症がおこり、発熱、頭重感、けいれん、意識障害などの症状が現われる)、急性血小板減少性紫斑病(かさぶたを作る働きをしている血小板が少なくなって出血しやすくなり、皮膚の下で出血し、青あざができたりする)などが生じる可能性があります。もし、高熱や体調の変化、その他異常に気づいた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
日本脳炎ワクチン予防接種の特例措置について
日本脳炎ワクチンは、過去に古いタイプのワクチンを接種後に神経系の病気である脳炎の一種のADEM(アデム:亜急性散在性脳脊髄炎)の重症例が起こったとして、2005年からしばらく接種の積極的勧奨が差し控えられた時期がありました。これにより、日本脳炎ワクチンの接種が受けにくかった世代(特例対象者:1995年4月2日〜2007年4月2日生まれ)の人については、20歳未満まで接種できる特例措置がとられています。
日本脳炎とはどんな病気?
日本脳炎は、蚊(コガタアカイエカ)がウイルスを媒介して人に感染します。高熱・頭痛・嘔吐・意識障害やけいれんなどの症状があらわれ、重度の場合は知覚障害や運動障害の後遺症が残ったり、亡くなったりすることもある感染症です。
日本脳炎の原因と感染経路
日本脳炎ウイルスは、ヒトからヒトへの感染はなく、日本脳炎ウイルスに感染しているブタなどを吸血した蚊が人を刺すことによって感染します。そのため、蚊の動きが活発になる夏には特に注意が必要です。日本脳炎は、高温多湿な気候で、ブタなどを飼育し、蚊の発生しやすい水田のある地域に多く発生しています。
日本脳炎の主な症状と経過
日本脳炎は、極東から東南アジア・南アジアにかけて広く分布している病気です。ウイルスに感染しても症状が現れずに経過する場合(不顕性感染)がほとんどですが、感染した人のうち、100人から1,000人に1人の割合で発症し、発症した場合20~40%が死に至るといわれています。また、生存者の45〜70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。症状が出る場合には、6~16日間の潜伏期間の後に、数日間の高熱、頭痛、嘔吐などの症状が出現し、引き続き急激に、光への過敏症、意識障害、けいれん等の中枢神経系障害(脳の障害)を生じます。特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
日本脳炎の予防
日本脳炎にかからないようにするには、予防接種を受けることも重要ですが、蚊に刺されないように対策もしていきましょう。
蚊に刺されないための対策(例)
- 夏季は、なるべく夜間の外出を控える(コガタアカイエカは日没後に活動が活発になるとされているため)
- 戸外へ出かけるときは、できる限り長袖・長ズボンを身につける
- 露出している皮膚へ虫除けスプレーなどを適切に使用する
- 蚊が屋内に侵入しないように網戸を使用する
- 夜間は、窓や戸の開閉を少なくする
- 渡航の際は設備が整った宿泊施設を利用する(網戸の設置や必要な清掃が行われている等)
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まとめ
日本脳炎ウイルスは蚊を媒介して人に感染する病気のため、蚊の動きが活発になる夏には特に注意が必要です。しかし、蚊にさされないようにすることは難しいもの。日本脳炎にかかると特別な治療法はないため、予防接種は忘れずに受けましょう。スケジュールを確認し、計画的に予防接種を進めていってくださいね。
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がんばってくださいね!!☺️
私も今イボが足にできてて液体窒素は痛いから気持ちわかる
例えがすごいなー でもイライラしちゃうよねー