- 対象期間
- 主に新生児~生後4か月頃までの、授乳をしている期間に多い
マンガ「吐き戻し」
赤ちゃんの吐き戻しはなぜ起こる?
吐き戻しとは
吐き戻し(はきもどし)とは、赤ちゃんが授乳直後に母乳やミルクを吐き出すことをいいます。最初はびっくりするかもしれませんが、吐き戻しは授乳時に多くのママが経験するもので、吐いた後も赤ちゃんが元気で体重が順調に増えていれば、ほとんどの場合は心配ありません。
吐き戻しの原因
赤ちゃんは吐き戻しやすい胃のつくりになっている
吐き戻しの原因は、赤ちゃんの胃のつくりにあります。新生児期の赤ちゃんは胃の形がまっすぐで、胃の筋肉も未熟なため、飲み込んだものが逆流しやすくなっています。少しの刺激で母乳やミルクを吐き戻してしまいやすいのです。
飲み込んだ空気と一緒に吐いてしまう
生後間もない赤ちゃんは、母乳やミルクといっしょにたくさんの空気も飲み込んでしまいます。げっぷで空気を口から出そうとするときに、母乳やミルクも出てしまうことがあります。
母乳やミルクを飲みすぎている
吐き戻しは、母乳・ミルクの飲みすぎが原因である場合もあります。赤ちゃんは満腹中枢が未熟で、自分の許容量を超えて飲んでしまい、胃に収まりきらなかった分を吐き出すこともあります。
病気が影響している場合も
中には、病気が原因で吐き戻しをする場合もあります。急性胃腸炎、アレルギー、胃食道逆流症、肥厚幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)、腸重積(ちょうじゅうせき)、腸閉塞(ちょうへいそく)、胃軸捻転症(いじくねんてんしょう)、腸回転異常症などが挙げられます。赤ちゃんの様子をよく観察し、気になる症状がある場合は、速やかに受診しましょう。
赤ちゃんの吐き戻しはいつまで続く?
赤ちゃんの吐き戻しは、新生児期~生後4か月頃に多く起こります。
生後4か月頃には首がすわり、胃の機能も発達して吐く回数が落ち着いてきますが、中には1歳頃まで吐き戻しが起きることもあります。
赤ちゃんが吐き戻したときの対処法は?
最初は、赤ちゃんが吐き戻してしまうと、何をどう対処していいか戸惑うこともありますよね。いざという時のために、吐いた後の対処法を確認しておきましょう。
赤ちゃんの口元を清潔にする
吐き出したものが赤ちゃんの口についたままだと、かぶれることがあります。濡れたガーゼなどで拭いてあげると、清潔を保ちつつ、赤ちゃんもさっぱりします。
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衣類が汚れたら早めに着替える
吐き出したものが衣類に付着すると、衛生面はもちろん、濡れた衣服で体が冷えたり、吐いたものが衣類のシミになったりすることもあります。早めに着替えて洗うとよいでしょう。
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周囲の協力者に頼る
吐き戻した後は、片付けや着替えで何かと慌ただしくなります。一人で対処しようとせず、家族と協力して負担を減らしましょう。
吐き戻した後に、すぐ授乳しても大丈夫?
吐き戻した後は、少し休憩して赤ちゃんの様子を観察しましょう。赤ちゃんが元気で、母乳やミルクを欲しがっているようであれば、授乳してかまいません。
赤ちゃんの吐き戻し、対策は?
赤ちゃんの吐き戻しは生理的現象ですが、せっかく飲んでくれた母乳やミルクを吐かれてしまうと、ママやパパはびっくりして不安になってしまいますよね。吐き戻しは対策をとることで、回数を減らせる場合もあります。
吐き戻し対策① 授乳後はげっぷをさせる
母乳やミルクと一緒に飲み込んだ空気も、吐き戻しの原因になります。授乳後は赤ちゃんにげっぷをさせて、吐き戻しを予防しましょう。
げっぷのさせ方
赤ちゃんを縦に抱っこします。赤ちゃんの頭をママの肩にもたせかけるように抱いたり、抱っこ紐を利用するのもよいでしょう。
背中をやさしくトントンとたたき、げっぷが出るまでサポートしてあげます。
吐き戻したものが衣服につかないように、スタイやタオルを用意しておくと安心です。
吐き戻しが多い赤ちゃんの場合
赤ちゃんが授乳のたびに吐き戻してしまう場合は、授乳の途中でもげっぷをさせてあげると吐き戻しにくくなります。
げっぷをさせた後に吐き戻すことも
まれに、げっぷをさせた後でも吐き戻しする場合があります。これは、時間が経って胃の中に空気が集まり、その時にまたげっぷをすることで起こります。赤ちゃんが元気なようであれば問題ありません。
吐き戻し対策② 頭の位置を高くする
授乳後、枕やクッションを使って頭の位置を高くしてあげると、傾斜がついて吐き戻しを軽減できます。寝かせるときは、吐いたものがのどに詰まらないよう、横向きの姿勢で右側を下にし、頭と背中がまっすぐになるように寝かせましょう。口の中に吐いたものが残っている場合は、やさしく取り除いてあげましょう。
吐き戻し対策③ 授乳量と回数を見直してみる
一回の授乳で母乳やミルクを飲みすぎてしまった場合、胃の容量を超えた分を吐き出してしまいます。授乳量が適切かどうかも、吐き戻しを軽減するポイントのひとつです。
吐き戻し対策④ 縦抱きで授乳してみる
縦抱きすると、重力によって赤ちゃんのまっすぐな胃に母乳・ミルクがきちんと入りやすくなります。吐き戻しに悩んでいる場合は、授乳姿勢を見直してみるのもおすすめです。
赤ちゃんの吐き戻し、注意点は?
吐き戻しには2種類ある
吐き戻しの吐き方は、「溢乳(いつにゅう)」と「吐乳(とにゅう)」の2つに分かれます。
溢乳(いつにゅう)
溢乳とは、授乳後に口の端からダラダラと少量の母乳やミルクを吐き出すことをいいます。赤ちゃんの吐き戻しのほとんどはこの溢乳で、病的なものではありません。
吐乳(とにゅう)
吐乳とは、授乳後に赤ちゃんが勢いよく母乳やミルクを吐く(ときには噴水のように吐く)ことをいいます。赤ちゃんの機嫌が良く、次の授乳時間にはいつもと変わらず飲めていて、体重も問題なく増加しているようであれば心配のないことが多いですが、気になる場合はかかりつけ医に相談しましょう。
「吐き戻し」と「嘔吐」の違いに注意
吐き戻しとは、授乳直後に未消化の母乳やミルクを吐き出すことです。
一方、嘔吐は一度胃などの内臓へ送られたものを吐き出すことをいい、胃液が混ざっていることや、消化途中のヨーグルト状の液体を吐く場合もあります。
気を付けたい吐き戻しは「吐乳」と「嘔吐」
吐き戻しの中でも、溢乳であれば生理的なものなので心配ありませんが、吐乳や嘔吐の場合は、何らかの病気が原因となっている可能性もあります。次のような症状がある場合は、必ずかかりつけ医の診察を受けましょう。
- 噴水のように吐き、苦しそうにぐったりしている
- 体重がなかなか増えない、増え方が悪い
- 急に勢いよく、あるいは大量に吐くようになった
- 不機嫌、飲みっぷりが悪い、顔色が悪いなど、気になる様子が見られる
- 発熱、血便、下痢などの症状を伴っている
- 授乳後の呼吸がおかしい
- 嘔吐物がヨーグルト状やかたまりのようになっている
- 嘔吐物が、緑色、黄色、赤色、茶色、黒色等の場合
まとめ
赤ちゃんの吐き戻しは、授乳時に多くのママが経験します。最初は驚くかもしれませんが、少しの工夫で軽減できる場合もあります。また、吐き戻す回数も成長につれて落ち着いてくることが多いので、赤ちゃんの様子を観察しつつ、心配し過ぎないようにしましょう。ただし、体重の増えないなど、気になることがあれば、早めにかかりつけ医に受診しましょう。
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良かったねー‼︎
大変〜
これで安全に支障がでたら、どうするつもりなんだろうね国は、従来の10歳まででいいよ