2歳から接種OK!鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンが登場
2024〜2025年シーズンから、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」の使用が認められました。海外では早くから実用化されており、日本でも「痛くないワクチン」として期待が高まっています。この記事では、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの特徴、接種方法やメリット・デメリット等についてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
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鼻にスプレーするだけのインフルエンザワクチンとは
鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」は、病原体を弱毒化した生ワクチンを、直接鼻の中へ吹き付けるワクチンです。この経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは2003 年に初めて米国で承認され、2023 年 4 月時点で 36 の国と地域で承認されています。日本でも2023年3月に薬事承認され、2024〜2025年シーズンから2歳以上19歳未満の方を対象に使用が認められました。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト」の特徴
接種方法は?
フルミストは、0.1mlのワクチンを鼻の穴に左右1回ずつ噴霧します。
接種可能な年齢は?
フルミストの接種対象年齢は、日本国内では2歳から19歳未満です。
接種回数は?
フルミストは、1シーズンに1回の接種です。
接種費用は?
フルミストの接種費用は、8,000円〜9,000円程度の場合が多いようです。従来のインフルエンザ予防接種と同様、任意接種として原則全額自己負担となります。(一部の市区町村や健康保険組合によっては助成がある場合があります。)
注射による接種とフルミストの主な違い
フルミストのメリット
- 鼻にスプレーするだけなので痛くない
- 1シーズンに1回の接種で済む
- 鼻腔に直接免疫をつけるため、発症予防作用が高い
※海外では、注射での予防接種と比較して特に6歳未満で感染抑制効果が高いとされている - 注射によるインフルエンザワクチンは3〜4か月の効果があるが、フルミストは1年間効果があるという臨床実験がある
- 医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる
※米国においては、同時接種を除き、他の生ワクチンの接種は少なくとも 4 週間以上あける必要があるとされている
フルミストのデメリット
- 接種費用が8,000円〜9,000円で、注射によるインフルエンザ予防接種の1回分と比べると高額
※ただし13歳未満では、従来の注射による予防接種の場合は2回接種(1回の接種費用が4,000円〜5,000円程度)のため、1回で済むフルミストとトータル金額はそれほど変わらないといえる - フルミストは生ワクチンのため、従来の注射によるインフルエンザ予防接種(不活化ワクチン)と比較して副反応が出やすい傾向にある
- フルミストは予約が取りにくかったり、取り扱っていない小児科もある
- 従来の注射によるインフルエンザ予防接種の対象者よりも、接種適応年齢や対象者が限られている
フルミストの注意点
フルミストの接種対象年齢は2歳〜19歳未満と制限があります。国外での臨床試験において、2歳未満の子どもでは喘鳴(ぜんめい)のリスクが増えたとの報告があり、使用が認められていません。また、国外では49歳までを接種適応年齢いるところが多いようですが、日本国内における接種適応年齢の上限は19 歳未満と低めに設定されています。
また、フルミストは生ワクチンなので、接種後に鼻水や咳などの風邪症状がみられる場合があります。そのため、喘息や鼻づまりが強い子どもの場合は、フルミストではなく注射による予防接種が推奨されています。その他、妊娠している女性、重度の喘息がある場合や喘鳴の症状がある場合、卵アレルギーやゼラチンアレルギーがある場合もフルミストの接種を避けたほうが良いとされています。
さらに、フルミストの接種から2週間程度は、インフルエンザ抗原検査をすると「陽性」になってしまう可能性がありますので、注意が必要です。
インフルエンザの予防接種は、経鼻か注射どちらのワクチンにするか、かかりつけ医とよく相談の上、決めるようにしましょう。
主な副反応- 鼻づまりや喉の痛み、くしゃみなどの鼻炎症状
- 軽度の発熱や頭痛などの風邪に似た症状 など
副反応の現れ方は個人差がありますが、鼻水・鼻づまりなどの症状が最も多く、咳やのどの痛みも全体の10%以上にみられます。その他の風邪症状も数%程度みられますが、副反応のほとんどは一時的で、数日のうちに自然回復するといわれています。 症状が長引いたり重症化したりする場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
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