海外の赤ちゃんはいつから何を食べる?世界の離乳食事情をご紹介します
日本の赤ちゃんの離乳食といえば、おかゆ(10倍がゆ)からスタートするのが一般的です。では、食文化が異なる海外では、どのように離乳食が始まり、何を食べさせているのか気になりませんか?この記事では、世界の国々の中から韓国、タイ、アメリカ、イギリス、トルコの離乳食に焦点を当て、それぞれの特徴や一般的なメニューをご紹介します。海外の離乳食事情を覗いてみましょう。
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世界の離乳食事情とは
日本の離乳食は生後5〜6か月頃からスタートし、10倍がゆや野菜のペーストから始まるのが一般的です。基本的に和食の“だし”を使ったシンプルな味付けで、月齢に合わせて食材の固さを調整しながら、少しずつ与える種類を増やしていきます。しかし、これは世界共通ではなく、国ごとに異なる食文化があり、離乳食の内容も多様です。世界保健機構(WHO)は、母乳だけでは栄養が不足してくる生後6か月頃からの離乳食(補完食)開始を推奨していますが、「この食材から始めるべき」といったような具体的な指針はありません。では、海外の赤ちゃんはどのようなものを食べているのでしょうか。各国の離乳食事情を見てみましょう。
韓国の離乳食
韓国の離乳食は、日本と同じく生後5〜6か月頃から始まります。主食はお米で、手作りが一般的です。日本の離乳食ではあまり使われないごま油やニンニク、牛肉のだしなどで風味付けをすることがあります。
主な食材
- 米がゆ 白米を水やだしで柔らかくなるまで煮込む。鶏肉や魚を加えることもある。
- 豆腐 柔らかく崩した豆腐をそのまま与えるか、おかゆに混ぜる。
- 海藻スープ 薄味に仕上げたものを少量ずつ与える。
韓国ならではの発酵食品(キムチなど)は、幼児期以降から少しずつ取り入れられます。家族と一緒に食事を楽しむ文化も大切にされています。
タイの離乳食
タイでは、生後3か月頃から離乳食を始める家庭が多く、全体的に進みが早い傾向にあります。新鮮な食材や香りの良いハーブを取り入れるのも特徴ですが、赤ちゃん向けには辛味を加えず、シンプルな味付けに工夫されます。
主な食材
- 米がゆ タイ米を水やだしで柔らかくなるまで煮込む。鶏肉や魚を加えることもある。
- バナナのピューレ 「ナームワー」と呼ばれる離乳食に適した種類のバナナを使う。米がゆとともに主食になることもある。
- 野菜のピューレ カボチャ、ニンジン、サヤエンドウなど、地元の新鮮な野菜を茹でてピューレ状にする。バジルなどのハーブを少し加えることも。
- 果物のピューレ マンゴーやパイナップルなどの甘い果物を使う。
タイでは新鮮な食材を使うことが重要視され、赤ちゃんに地元の味を少しずつ教える文化があります。
アメリカの離乳食
アメリカでは、生後4〜6か月頃から離乳食を始めるのが一般的です。手作りをする家庭もありますが、日本よりも市販のベビーフードが充実しており、オーガニックな製品も豊富で、多くの家庭で利用されています。瓶詰めのピューレ状の離乳食が中心です。
主な食材
- おかゆ ライスシリアル(乳児用シリアル)、オートミールといった鉄分が豊富な穀物がベース。
- 野菜のピューレ ニンジン、さつまいも、グリーンピースなど。
- 果物のピューレ バナナ、リンゴ、洋ナシなど。
アレルギーリスクがある食品(卵やピーナッツバターなど)も、アメリカでは早期に少量ずつ導入する傾向があります。
イギリスの離乳食
イギリスでは、生後6か月頃から離乳食を始めます。塩や砂糖を控えた薄味の家庭料理をベースにした離乳食が推奨されています。アレルギーリスクがある食品にも早めに慣れさせる傾向があり、肉、魚、卵、ナッツバターなど多様な食材を少量ずつ与えます。
主な食材
- おかゆ ライスシリアルや米粉で作るシンプルなおかゆ。
- 野菜のピューレ ニンジン、ブロッコリー、カボチャなどを柔らかく茹でたもの。
- 果物のピューレ リンゴ、洋ナシ、バナナなど。
イギリスでは赤ちゃんの自主性を尊重する傾向にあり、BLW(Baby-Led Weaning:赤ちゃん主導の離乳)という、赤ちゃんが自分で食べ物を選び手づかみで食べる方法も人気が高まっています。BLWでは、持ちやすい野菜スティックや果物などが使われます。
トルコの離乳食
トルコの離乳食は、生後6か月頃から始まります。手作りを好む家庭が多く、ヨーグルトや野菜がよく使われます。
主な食材
- おかゆ お米やオートミールを煮ておかゆにし、母乳や粉ミルクでのばす。
- ヨーグルト ギリシャヨーグルトをそのまま、または果物のピューレと混ぜる。
- 野菜ペースト 野菜や豆を柔らかく煮込み、ペースト状にする。
トルコでは旬の食材を利用し、家族全体で食事を楽しむ中で赤ちゃんにも家庭の味に慣れさせる工夫がされています。
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