産休はいつから取得できる?制度や育休との違いを解説
さんきゅう
公開日 2023.05.17
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イラスト・ずんこさん
ずんこさん
対象期間
出産予定日の42日前(産前休業)~出産日の翌日から56日目まで
費用・価格
原則なし
※職場への挨拶で(お菓子などの)贈り物を購入する場合はその費用
働くママは、出産間近になると産休を取得して、出産に備えるのが一般的です。では、産休はどのようにして取得できるのでしょうか?産休の基礎知識をはじめ、意外と気になる産休前の職場との付き合い方なども紹介します。【マンガ解説】

マンガ「産休」

産休前に会社に配るお菓子を購入し、休憩している夫婦のイラスト産休に向けて会話する夫婦のイラスト産休は産前休業と産後休業の2種類あることを解説するイラスト産前休業は実際の出産日によって増減することを図解したイラスト産休についての解説を聞き妻の詳しさに感心する夫と総務に教えてもらったことを伝える妻のイラストお菓子を配ることは会社の人に聞いたのか質問する夫のイラスト妊娠中にフォローしてもらったことへのお礼や業務の引継ぎへの感謝としてお菓子を用意したと話す女性のイラスト産休に入る前の周囲の人への妻の配慮に関心する男性のイラスト産休に必要な手続きに会社規定のものや産前産後休業取得者申請書、母子手帳のコピーなどがあることを初めて知ったと夫に話す女性のイラスト産休前の最終出社日に会社の同僚にお菓子を配る女性のイラストお菓子を受け取りながら自分は妊娠中に
緊急入院になってしまったと話す同僚女性のイラスト順調に妊娠期間を過ごせたことを喜び、出産に向けて応援を受ける女性のイラスト産休前の最終出社日に社内の人にメールでもあいさつ文を送る女性のイラスト産休に入る女性にプレゼントを渡す同僚女性のイラスト出産に向けて応援と復帰を待つと声を掛けられる女性のイラスト

産休とは?

産休とは、就労している妊婦が出産予定日の前後に取得できる休業期間のことをいいます。

休む期間は、労働基準法という法律で母体の保護を図る観点から定められています。

働いていれば誰でも産休が取得できる?

産休は、働く妊婦であれば誰でも取得できるのでしょうか。

会社に雇用されている女性の場合

会社に雇用されている妊婦であれば、雇用形態を問わず誰でも取得できます。

フリーランス・自営業・個人事業主の女性の場合

フリーランス・自営業・個人事業主などで、会社に勤める以外の形態で仕事をしている場合は、産休を取得することはできません。出産間近になる前に自分で仕事量を調整し、休む期間を計画する必要があります。

産休の期間はいつからいつまで?

産休は、具体的にいつからいつまで取得できるのでしょうか。

産休は「産前休業」と「産後休業」に分けられる

産休の正式名称は「産前産後休業」といい、産前休業と産後休業を組み合わせた総称として広く使われています。

産前休業

産前休業は出産予定日を基準として、6週間(42日)前(※) から申し出によって取得できます。実際の取得日数は、出産した日によって変動します。

※双子以上(多胎妊娠)の場合は14週間(98日)前

産後休業

産後休業は出産日の翌日を含めた8週間(56日)です。

この期間は本人の申請有無にかかわらず、就業することができません。ただし、産後6週間を経過した女性が就業を申し出た場合は、医師の所見に応じて働くことができます。

産休は産前休業と産後休業の2種類あることを解説するイラスト

出産した日が出産予定日とずれた場合は?

出産予定日どおりに出産できるとは限りません。ずれた日数分は、産休の期間がどうなるのでしょうか。

ポイントは「出産当日は産前休業に含まれる」ということ、そして産前休業は出産した日によって取得日数が変わり、産後休業は出産した日に関わらず8週間(56日)となります。

出産した日が予定日とずれた場合の日数計算(例)

では、具体的な取得日数の例を見ていきましょう。

出産日による産前休業の日数の違いの図解

出産予定日(2021/5/1)に出産した場合

 出産日:2021/5/1

 産前休業:3/21~5/1(42日間)、産後休業:5/2~6/26(56日間)

出産予定日(2021/5/1)より早くなった場合

 出産日:2021/4/25

 産前休業:3/21~4/25(36日間)、産後休業:4/26~6/20(56日間)

出産予定日(2021/5/1)より遅れた場合

 出産日:2021/5/9

 産前休業:3/21~5/9(50日間)、産後休業:5/10~7/4(56日間)

産休中のお給料や手当は出る?

原則として、産休中は勤務先や雇用保険からの給与保障はない

産休の期間中は、賃金の支払について労働基準法での定めはありません。

ただし、産休を取得する方は、出産育児一時金出産手当金・児童手当・産休中の社会保険料免除など、産後の経済的支援を受けられる場合があります。

それぞれ条件がありますので、具体的な手続きは各リンク先で確認してみてください。

産休を取得するためには?

産休を取得する場合は会社で手続きを

産前休業は本人からの申し出によって休業期間を得て、産後休業は強制的に休業期間を得ることになります。

では実際に産休に入るためには、どのような手続きを行えばよいでしょうか?

産前休業の申請から産休に入るまでの流れ

①妊娠の報告

妊娠が分かったら、勤務先に妊娠を報告します。一般的には安定期(妊娠4カ月~6カ月頃)に報告をする場合が多いようです。

このとき、会社では産前休業・産後休業などの手続きのために各種手配を行いますので、出産予定日などをしっかり伝えておきしましょう。

②産前休業の申請

産前休業については申し出が必要なため、所定の書類を用意します。書類の種類や様式などは、報告のタイミングで確認するとよいでしょう。

産休中の社会保険料免除について

産休中は社会保険料の免除措置を受けられるため、会社側では「産前産後休業取得者申出書」という書類を作成し、年金事務所に提出します。これについて従業員が作業をすることは原則ありません。

③産前休業へ

産休前に手続きや引継ぎ、職場への挨拶などを済ませ、いよいよ産休に入ります。ゆっくり休んで、出産に備えましょう。

④出産後、産後休業へ

赤ちゃんが誕生したら、そのまま産後休業の期間に入ります。

産後休業は申請不要ですが、落ち着いたら赤ちゃんの誕生を職場へ知らせるようにしましょう。また、産後に給付金や手当などを受ける場合は、手続きを行います。事前にやることリストを作っておくとスムーズに行えますよ。

産休と育休の違いは?

育休(育児休業制度)は、産休とは違い女性だけでなく男性も取ることができる、子どもを育てるために仕事を休業できる制度です。ただし、育休の取得には一定の条件を満たしている必要があります。

育休の期間

ママの場合、育休は出産後に取得する産後休業(56日間)の後から切り替わり、約10か月(条件により最長2年まで延長可能)、パパの場合は申請した期間が育休の期間となります。

産前休業はいつから取ればいい?

産前休業は本人の申し出によって取得できますが、

  • 労働基準法の定め通り、出産予定日の6週間前から取得した
  • ぎりぎりまで仕事をしたいため、①よりも短い期間で取得した
  • 有給休暇と組み合わせて、6週間以上前から休みを取得した

など、ライフワークバランスは人それぞれです。
ママと赤ちゃんの健康を第一に考えて決め、自分に適したスタイルで出産までの日々を過ごすことが理想です。

産休に入る前、職場への挨拶はどうする?

出産のため仕事を休むママの代わりに、業務は他の方がフォローしてくれることになります。

これから産休に入ること、そして復帰後もお世話になることを伝えておくと、出産や育児に対する理解を得やすくなり、安心して出産に臨めるでしょう。

お菓子を配ってご挨拶

産休に入る前に、職場にお菓子を配ったという方が一番多いようです。

会社には様々な人が集まっているため、贈り物は消費しやすいお菓子などがおすすめ。個包装で常温保存ができ、日持ちする焼き菓子などを選ぶといいでしょう。

産休に入る前の周囲の人への妻の配慮に関心する男性のイラスト
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メールで産休に入ることを報告

社内の人々に一斉にお知らせをする場合におすすめです。タイミングとしては、産休前の最終出勤日に送るのがよいでしょう。

産休前の最終出社日に社内の人にメールでもあいさつ文を送る女性のイラスト

急な入院等で挨拶ができなかった時は

妊娠期間が順調に進むとは限らないもの。急な入院などで職場への挨拶ができないまま産休に入る場合もあります。大事なのは母子の健康ですので、その場合はあまり気にしすぎず、出産に臨みましょう。

まとめ

産休は女性が安心して出産に臨めるように、そして産後のママが安心して育児に専念し体を回復させられるようにと定められた休業制度です。 ママと赤ちゃんが元気に出会えるように、妊娠中にいつから産休を取得するか事前に夫婦でよく話し合い、出産に臨んでくださいね。


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ずんこさん
ずんこ
タイ在住の日本人漫画家、イラストレーター。 日本でマンガ家アシスタントなどを経験後、シンガポールのローカルアートスクールにてマンガの描き方を教える。現在はタイ・バンコクを拠点にマンガ・イラストの制作をしている。他にも、シンガポールやベトナムのイベントに、マンガ風似顔絵ブースで参加をするなど、マンガを通してさまざまな人達と交流していきたいと活動を広げている。
参考文献
厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html (最終閲覧:2023.4.30)
e-Gov「労働基準法」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#328 (最終閲覧:2023.4.30)
厚生労働省委託 母性健康管理サイト 女性にやさしい職場づくりナビ「産前・産後休業、育児休業の自動計算 詳細事項入力・計算」
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/leave/leave2.html (最終閲覧:2023.4.30)