

- 対象期間
- 離乳食期の食物アレルギーの場合は、離乳食期(生後5か月~1歳6か月頃まで)
- 費用・価格
- アレルギー反応が出た場合:診療代+症状に応じた薬代 ※診断を確定させるには検査代
マンガ「食物アレルギー(対処法)」


























食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、特定の食べ物に含まれる「アレルゲン」に本来体を守る働きである「免疫」機能が過剰に反応して、体にさまざまな食物アレルギー症状をおこすものです。本来、食べ物は栄養源として消化吸収されるものですが、特定の食材がアレルゲンであると体が判断し、害があるものとみなして排除しようとすることで、食物アレルギー症状がおこるとみられています。また、食物アレルゲンは口から摂るだけでなく、皮膚に接触したり吸いこんだりしたときにアレルギー症状がおきた場合も、食物アレルギーといいます。
アレルギー反応が出たときの対処法は?
はじめての食材を与えるときは、少量から少しずつ増やしていくように進めていきましょう。その段階ごとに食後の子どもの様子を注意深く観察することが大切です。
卵黄を試す段階では卵を食べることができても、アレルゲンの高い卵白を試したら発症する可能性もあります。万が一、子どもにアレルギー反応が出たときは、どう対応すればよいのでしょうか。
アレルギー反応が出たときは
通常の食物アレルギー反応は、食後1〜2時間後から、長くて2日程度です。口の周りなどの皮膚に赤みや発疹が出ていたり、体調に異変がみられたりした場合は、すぐに病院を受診しましょう。
また、誤って口にしてしまうといった「誤食」の量によっては、強い症状が出るケースも考えられます。保育園等で活用されているアレルギー症状チェックシートにあるように、緊急性が高い症状が確認された場合は、救急車を要請し、速やかな判断が必要な事態になることも知っておくことが大事です。
アレルギー症状チェックシート

引用元:独立行政法人 環境再生保全機構「よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック(2021年改訂版)」

- アレルギー症状チェックシート
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何科を受診すればいい?
皮膚症状だけが現れているなど、局所的に症状が出ている場合は、小児科・皮膚科のどちらを受診してもいいでしょう。皮膚と消化器の両方に症状が出ているなど、複数箇所に症状がみられる場合は、小児科の受診をおすすめします。
食物アレルギーの診断方法とは?
食物アレルギー診断は、次の1、2が確認できれば確定診断となります。
- 特定の食物摂取によりアレルギー症状が誘発されていること(問診または食物経口負荷試験)
- 抗体検査・皮膚試験(プリックテスト)が陽性であること
よって、どちらか一方では食物アレルギーと決まったことにはなりません。食物アレルギーと診断を確定するには、湿疹などの症状の改善・治療をしつつ、経過を観察しながら診断していきます。これらのうち、食物経口負荷試験については、特定された食物によるアレルギーと診断がついたあと、どのくらいまでなら食べられるかといった「閾値(いきち)」(安全に摂取できる量や耐性獲得状況も判断値)を診るため、検査ができる医療機関は限られています。
https://www.foodallergy.jp/ofc/
確定診断の難しい皮膚症状
乳幼児期は、アトピー性皮膚炎を皮切りに、食物アレルギーや喘息などほかのアレルギー疾患が次々と出てくることがあります。これを「アレルギー・マーチ」と呼びますが、その症状がどのアレルギーに由来しているのか、特定が難しいといわれています。特にデリケートな皮膚である乳児においては、アトピーによる湿疹なのか食物アレルギーによる湿疹なのか、判断しにくいのが現状です。そのため、保湿ケアをしつつ、本当にその食材が原因なのかを確定させるには時間がかかることがあります。
アレルギー検査にかかる費用は?
一般的に、成人のアレルギー検査にはそれなりの費用がかかりますが、赤ちゃんや子どものアレルギー検査は、乳幼児医療費助成制度が適用され、お住まいの市区町村の規定により無料、または少額の自己負担額で受けられることが多いです。
特に注意したい「アナフィラキシー」
アナフィラキシーは、アレルギー反応により、じんましんなどの皮膚症状、腹痛・嘔吐などの消化器症状、息苦しさ・ゼロゼロするなどの呼吸器症状が急激にかつ、複数症状が出た状態を指します。
アナフィラキシー・ショックとは
ぐったりといった脱力感や意識レベルの低下などといった「いつもとは明らかに違う様子」が認められる場合のことを「アナフィラキシーショック」と呼びます。
アナフィラキシーやアナフィラキシーショックは、急速に症状が進行するおそれがあり、生命にかかわる極めて危険な状態です。アナフィラキシーが疑われる場合は、ただちに救急車を要請しましょう。また、エピペン®が処方されている場合は速やかに注射し、救急車の到着をその場で待ち、目を離さないように見守って待ちましょう。
エピペン®が処方される際には、練習用キットも一緒に渡されるケースが多いです。どれくらいの力加減なのか、またどの部位に行うかなど、練習しておくと冷静に対応しやすいでしょう。
エピペン®の注射について
過去にアナフィラキシーを発症したことがある場合や、食物アレルギーの可能性が高い子どもなどには、アナフィラキシーの症状を一時的に緩和する効果がある「エピペン®」という薬が処方されている場合があります。アナフィラキシーやアナフィラキシーショックの場合には、エピペン®の投与が救急車の到着までにできる最善の処置といえます。 エピペン®を使用することで一時的に症状が回復しても、効果の持続期間は20分程度です。使用後には必ず救急車を呼び、医療機関を受診してください。
食物アレルギーの治療法は?
アレルギーそのものに有効な治療薬はまだありません。食物アレルギーの治療は、大きく分けると、正しい診断に基づいた「必要最小限の原因食物の除去」と、症状が出現した場合の「薬物療法」からなります。
なお、必要最小限の除去とは、「食べると症状が誘発される食物だけを除去」することをいい、“念のため”、“心配だから”といって、必要以上に除去する食物を増やさないことを指します。症状が出ることを恐れて完全に除去するのではなく、症状が誘発されない “食べられる範囲” までは食べることができます。ただし、その量は自己判断ではなく、治療を通じて判断していきます。
食べられる量を判断する治療方法として、専門医の管理のもとで行う食物経口免疫療法(徐々に体を慣れさせながら、少しずつ食べる量を増やして原因食物を食べられるようにする方法)や、塗り薬などで発疹などの症状を軽減させる場合もあります。食物アレルギーは皮膚症状があらわれやすいため、発疹などが治りやすいようにスキンケアをこまめに行い、皮膚を清潔に保ちましょう。
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食物アレルギーは治るの?
食物アレルギーの多くは乳児期に発症しますが、このときアレルギー反応が出たからといって、その後も一生その食べ物が食べられないとは限りません。子どもの消化機能が発達するにつれて、症状が軽減することもあります。
治りやすいものと治りにくいものがある
乳児期に発症した食物アレルギーは、専門医によって適切な医療を受けることで、寛解(耐性がつくこと)される場合が多いです。しかし、原因食物によって治りやすいものと治りにくいものがあります。
乳幼児に多い卵、牛乳、小麦のアレルギーは、その後年齢が上がるにつれ、特に就学前には耐性を獲得し、食べられるようになることが多いですが、それ以外の食品の耐性獲得の可能性は卵、牛乳、小麦に比べて低い傾向があります。また、乳幼児期に発症した食物アレルギーが学童期まで継続した場合や、学童期以降に発症した場合は寛解しにくいことがわかっています。(特に甲殻類、魚類、小麦、果物類、木の実類が多い傾向といわれています)

アレルギー反応が出た後の生活
離乳食の開始時期
両親に強い食物アレルギーがあるなど、食物アレルギーの可能性が事前に考えられる場合や、実際に症状が出ている場合でも、その他の食材の
離乳食開始時期を遅らせる必要はないといわれています。卵、乳、小麦に関しても、食物アレルギーが怖いからといって避ける必要はありません。
食物アレルギーが疑われる場合は、かかりつけ医やアレルギー専門機関で原因アレルゲンの診断を受け、指導に沿って離乳食を進めましょう。また、乾燥や外部からの刺激などによって子どもに発疹が出ているような場合は、医師の指示のもとで治療し、十分に保湿して皮膚をきれいな状態にしてから始めるとよいでしょう。

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食事面の注意点
アレルギーの治療・再発予防には、一般的には原因となる食材を除去することが効果的とされています。ただし、どの程度まで食べられるのかは、自己判断ではなく、専門医とともに食べられる量を確認していくことが大切です。例えば牛乳○mlまでは飲めるようになったといったように、少しずつ原因食物からも栄養が摂取できるようにする方法を家庭で実施するよう、指示されることもあります。
除去を必要最小限の量にすることは、アレルゲンへの耐性をつけるという意味でも有効です。また、調理時に献立に配慮する負担が軽減できるというメリットもあります。
保育園・幼稚園・学校等にはアレルギー疾患生活管理指導表の提出を
保育園や幼稚園、学校などの子どもの預け先には、給食時の誤食の回避を徹底するためにも必ず食物アレルギーのことを知らせておく必要があります。医師・保護者・園や学校との情報共有のツールとして、「アレルギー疾患生活管理指導表」が有効です。
アレルギー疾患生活管理指導表とは?
園や学校で、食物アレルギーによる特別な留意が必要な場合に作成するものです。かかりつけ医や食物アレルギーで受診した医療機関の医師が記載した指導表をもって、給食の対応等を決めていきます。アレルギー疾患生活管理指導表は、多くの場合、園や学校から提出が求められます。特に卵・牛乳・小麦などは数年で耐性の獲得が進むことがあるため、定期的(6〜12か月)に医療機関を受診し、完全除去給食から解除が可能か確認してもらうことが望ましいです。
この指導表にて除去が必要な食物においては、誤食の回避を優先するため、家庭で少量を食べていても完全除去食の給食の提供となります。このような内容を家庭と園でしっかりと情報の連携をとる必要があるとともに、子どもにも「これは園では食べないもの」といった認識が持てるようにしていくとよいでしょう。
アレルギー疾患生活管理指導表を提出していても、集団生活の中では子どもがうっかり口にしてしまったり、触れたりする可能性もゼロではありません。万が一アレルギー反応が出てしまった時の対応についても、園や学校に確認しておくと安心です。

代替食品の基礎知識
食物アレルギーに対応する食事には、特定の食物を除去した「除去食」と、除去した食材を別の食材に置き換え、栄養バランスを整える「代替食」があります。食物アレルギーを持っていても、成長発達が著しい乳幼児期ですので、栄養バランスを保つために、食物アレルギーがある食品に代わる栄養源の基礎的な知識を知っておくことも大切です。また、卵・乳・小麦といった食材の特性より、洋風料理の経験、彩りの良さ、さまざまな食感の食べ物を味わう機会をつくることは「食べる力」を育むためにも大事な要素です。そのために代替食品の存在を知っておくといいですね。
代替食品の例
牛乳アレルギー

- アレルゲン
- 牛乳・乳製品
- 代替食品
- 植物性ミルク(豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、ココナッツミルク、ライスミルクなど)、ココナッツヨーグルトや豆乳ヨーグルト、植物性チーズなど
卵アレルギー

- アレルゲン
- 卵や卵を含む製品
- 代替食品
- 肉料理のつなぎ(片栗粉、すりおろした山芋やレンコン)、揚げ物の衣(水と小麦粉、片栗粉などを水でとく)、洋菓子の材料(ゼラチン・寒天、重曹、ベーキングパウダー)など
小麦アレルギー

- アレルゲン
- 小麦
- 代替食品
- 穀物(米、コーン、キヌア、ソバ、アマランス、タピオカ、ヒエなど)、粉(米粉、ソルガム粉、アーモンド粉、ココナッツ粉)、パンやパスタ(米粉や大豆、とうもろこし粉で作られた商品)など
そばアレルギー

- アレルゲン
- そば
- 代替食品
- うどん、パスタ、米粉麺などの、小麦粉や米粉を使った麺類
代替食品を選ぶ際のポイント
市販品は必ず成分表示を確認し、アレルゲンが含まれていないかを確認しましょう。同じ食品名でも製法などによっては含まれる原材料に違いが出てくることがあります。いつも購入していた商品だとしても、規格変更などが発生することもあります。定期的に食品表示を見る習慣をもっておくと、より安心して食べさせることができます。
特定の食品を除去したまま食事を摂っていると、栄養バランスが崩れることがあるため、代替食品や他の食べられる食材から必要な栄養素(タンパク質、カルシウム、ビタミンDなど)を補いながら、成長と発達のために必要な栄養を摂る習慣を整えていきましょう。
集団生活の過ごし方
園や学校に食物アレルギー対応を求める場合は、十分な情報共有が大切です。ヒヤリハットが起きないよう、シンプルな対応の徹底がはかれるように双方で意見交換などをしておくとよいでしょう。大人が気を付けていても、周りにいるのは子どもたちです。給食時に子ども同士の行動によっては、アレルギー症状が発症する可能性は残っています。たくさんの子どもたちの中で安全に過ごすために、現状として何が最善なのかを、十分に話し合っておくことが大事です。
家庭ではアレルギーに対する考え方のコミュニケーションを
子ども同士の会話の中で、「なんで食べられないの?」「好き嫌いしてるんじゃないの?」など、「○○ちゃんからこう言われた」とショックを受けることもあるでしょう。年齢があがり、お話ができるようになったら、「なぜ食べられないのかをこうやって話すといいよ」などのアドバイスをすることも、お友達同士で楽しく食べることにつながります。ご家庭でお子さんと一緒に、お友達にわかってもらえる会話ができるように練習するのもいいですね。また、卵や牛乳、小麦はいつか食べられるようになる確率も高い食材です。「これは食べたらダメ!」といった否定的な言い方だけではなく、「いつか食べられる時までとっておこうね」といった、食べられる機会になったときに「楽しみだな」と思わせる会話が家庭でなされるといいですね。
まとめ
食物アレルギーが出た場合の対処法や治療法、日常生活における予防策をしっかりと理解しておきましょう。子どもの年齢やアレルゲンの種類・量などによって対策は異なりますので、専門の医師の指導の下、除去食や代替食品なども利用しながら、保育園・幼稚園・学校とも連携して対策していってくださいね。

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他のマンガにもコメントが届いています。
自分の水着に水がかかったら、叫ぶのに、お母さんには、自分出かけるのが面白いと思いました。
私もまだ子供ですが、子供が大好きなのでこの漫画を見てこの子はすごく優しい子なのかな。と思ったけど、最後、お父さんにも優しいのかなって思いましたが、お父さんだったら、守ってくれないのが、笑っちゃいました。でもただ見ててほっこりしました。☺️
ナイスです!!ママさん頑張って!息子さんも頑張ったね!!!!!!!!ご褒美も頑張った印だよ! 私も褒めたくなっちゃう !!!