- 対象期間
- 妊娠中・出産時
- 費用・価格
- 妊婦の希望による計画分娩:全額自己負担で数万円程度
医師の判断による計画分娩:健康保健が適用される
マンガ「計画分娩」
計画分娩とは?
計画分娩とは、あらかじめ決めておいた出産の日に人工的に陣痛を起こして分娩を行う、または予定帝王切開により分娩を行なうことです。計画分娩は、医学的に必要な場合と、妊婦の希望により行う場合があります。経腟分娩については、産院によっては無痛分娩との併用もできます。なお、妊婦の希望による計画分娩や無痛分娩との併用は、全ての産院で出来るとは限りません。
計画分娩の種類
計画分娩には、陣痛促進剤を使用した誘発による経腟分娩と、帝王切開の二種類に分けられます。
経腟分娩
経腟分娩(けいちつぶんべん)とは、胎児が産道を通って腟から産まれることです。自然分娩とも言われていて、日本で一番多い分娩方法です。陣痛促進剤やバルーンを使用した場合でも、腟から産まれたのであれば、経腟分娩となります。
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帝王切開
帝王切開(ていおうせっかい)とは、ママのお腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す開腹手術のことです。一般的には、経膣分娩が難しいと医師が判断した場合に、帝王切開を行うことになります。
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計画分娩が行なわれる理由
計画分娩が行なわれる理由は、妊娠の状況や、おなかの中の赤ちゃんの成長具合、妊婦本人や家族が希望した場合などさまざまです。
医学的に必要な場合
- 出産予定日を過ぎた場合(42週超過で胎盤機能が落ちていくため)
- 陣痛は来ていないが子宮口が開いており、いつお産が始まってもおかしくない場合
- 赤ちゃんの発育不良や子宮内感染が疑われる場合
- 母体の病気(心疾患や腎疾患、妊娠高血圧症候群などの合併症)
- 破水しても陣痛が来ない場合 など
妊婦の希望により行う場合
- 夫が単身赴任で、帰ってきている期間に出産したいなどの場合
- 二人目の出産で、上の子や夫の仕事の状況を踏まえて出産したい場合(自宅で上の子と二人だけのときに陣痛が来た場合を考慮)
- 必ず立ち会い出産をしたい場合 など
誘発による計画分娩の流れ・方法
誘発による計画分娩が一般的にどのように行なわれるのか、ここでは計画分娩の流れと方法を解説します。
分娩日の決定方法
妊婦が希望して計画分娩を行う場合でも、自由に日程を決められるわけではありません。きちんとした産科学的判断のもとに行います。
- 妊娠週数に誤りが無いこと
- 妊娠37週以降であること(正期産といわれ、赤ちゃんが生まれてもよい週数以降)
- 妊娠の経過や内診所見などからお産の準備が整っていること(子宮口が柔らかく、開きやすい状況になっていることも大切)
母体や赤ちゃんに何らかの問題がある場合は、分娩の準備が整っていなくても分娩誘発が必要となることもあります。そのようなときには、必ず主治医から説明があります。分娩日は様々な観点から決まるため、医師の判断により、日程が希望通りにいかないこともあります(記念日などの理由でこの日に出産したいという希望があっても、叶わないことも)。あらかじめ理解しておきましょう。
分娩日の前日に入院する
分娩日の前日に入院し、モニター検査や必要に応じて子宮口を柔らかく開きやすい状態にするための処置(子宮経管の熟化処置)を行なうことが多いようです。ただし、上の子のお世話などの事情がある場合は、前日に診察をして翌朝から入院ということもあります。
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分娩日の当日
当日は、子宮口を広げるために医療用バルーンという器具を膣内に挿入します。バルーンは水分を含んで徐々に膨らみ、人工的に子宮口を開かせます。陣痛促進剤※の点滴、もしくは内服を行い、陣痛を誘発していきます。
※人工的に作られたホルモン。子宮収縮を促すオキシトシンやプロスタグランジンという物質。このホルモンが体内に入ることで人工的に陣痛が起きる。
陣痛が始まり子宮口が開けば、分娩台に乗って通常通りのお産を行います。一般的に分娩の所要時間の目安は、以下の通りです。
初産婦の場合 | 12〜15時間 |
---|---|
経産婦の場合 | 5〜8時間 |
上記はあくまで平均であり、初産でもすぐに生まれたり、数日かかったりする人がいます。
誘発分娩は上記にプラスして、陣痛促進剤を投与してから「陣痛が起きるまでの時間」がプラスされます。これにも個人差があり、3〜4時間の人もいれば、2〜3日以上かかる人も。
平均値はあくまで参考であり、お産は人ごとに違うということは理解しておきましょう。
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当日中に生まれない場合は翌日に再開
誘発分娩によるお産も個人差があるので、計画通りに陣痛促進剤の投与を開始したとしても、その日のうちに生まれるとは限りません。子宮口が開ききらなかったり、陣痛が弱まってしまい、母体の体力を踏まえて陣痛促進剤をこれ以上追加するのは厳しいと医師が判断すれば、その日の分娩は中止とし、翌日に改めて再開することもあります。
誘発分娩ができないケース
以下のような場合は、誘発分娩は行えません。
- 陣痛促進剤で使用する薬剤へのアレルギーがある
- 過去に帝王切開や子宮切開をしたことがある(回数や方法にもよる)
- 骨盤狭窄
- 前置胎盤、横位(お腹のなかで赤ちゃんが横になっている)
- 常位胎盤早期剥離
- 重度胎児機能不全
計画分娩のメリット・デメリット
出産予定日をあらかじめ決められる計画分娩には、多数のメリットがあります。しかし、デメリットもありますので、両方を理解した上で、ママや家族の都合に合わせて検討してみてください。
計画分娩のメリット
スケジュールが立てやすい
上の子のお世話、保育園や幼稚園への登園、学校行事などの都合、夫の立ち会い出産の予定がある場合などには、あらかじめ出産予定日が決まっているとスケジュールが立てやすく、利点が大きいのが特徴です。
出産への準備ができる
入院準備はもちろん、家をしばらく空けることを踏まえ、ゴミ出しや冷蔵庫の整理などあらかじめ対策をしておくことができます。
赤ちゃんとママの安全が守られる
なかなか陣痛が始まらないときや、子宮口が開いていて、いつお産が始まってもおかしくないときなどに自然に陣痛が来るのを待つのではなく、誘発分娩で速やかなお産を行うことができます。これは赤ちゃんやママの命を守ることに繋がります。
計画分娩のデメリット
赤ちゃんの発育状態が十分でない場合もある
基本的には赤ちゃんとママの安全を第一に、医師がしっかりと確認をしたうえでの分娩となりますが、当初の出産予定日よりも早めて計画分娩を行う場合、赤ちゃんの発育が十分でないこともあります。発育が十分でない場合に、出産後に赤ちゃんがNICUなどで過ごすこともあります。
費用がかかる
病院や処置の内容によって異なりますが、通常の分娩費用にプラスして数万円以上かかることが一般的です。また、妊婦本人の希望で行う場合は保険適用にならないため、金銭的な負担が増えることになります。
計画分娩ができない場合もある
計画分娩を予定していても、以下のような状況の場合、実施できなくなることもあります。
- 計画分娩予定日よりも早くお産(陣痛)が始まってしまった
- 赤ちゃんやママの状態が変化してしまい、その日の分娩が出来なくなった
例:子宮口が固くまだお産できる状態ではない等
陣痛促進剤によるリスクもゼロではない
基本的に陣痛促進剤の正しい知識を持つ医師であれば、ほとんど心配はありません。しかし、可能性として、陣痛促進剤の量が多すぎたり、強く効きすぎたりすると「過強陣痛(かきょうじんつう)」になるリスクがあります。過強陣痛になると、陣痛の痛みが強くなるだけでなく、子宮の収縮が強くなりすぎるため、赤ちゃんに危険が及ぶ可能性もあります。また、赤ちゃんに過度にストレスが生じる「胎児機能不全」、子宮が破裂してしまう「子宮破裂」の可能性も出てきます。
まとめ
計画分娩には、医学的に必要なケースと、妊婦本人や家族の希望により行われるケースがあり、経腟分娩と帝王切開の二種類があります。誰にでも行われるわけではありませんが、妊娠の経過によっては医師の判断により実施される場合もあります。心構えとして、どのようなときに行われて、どのような処置がされるのかを知っておくと安心です。家庭の事情などで計画分娩を希望する場合は、あらかじめ計画分娩に対応している産院を探して選ぶようにしましょう。
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他のマンガにもコメントが届いています。
良かったねー‼︎
大変〜
これで安全に支障がでたら、どうするつもりなんだろうね国は、従来の10歳まででいいよ