

マンガ「へその緒」










へその緒とは?
へその緒は、母体とおなかの赤ちゃんをつなぐ命の架け橋です。正式には「さい帯(さいたい)」といい、主に血管、組織、そしてコラーゲンで構成されています。 へその緒は「ママと赤ちゃんのおへそ同士をつないでいる」と思われがちですが、実際はママのおへそではなく、ママの胎盤と赤ちゃんのおへそをつないでいる器官です。

へその緒の役割
へその緒は、母体からおなかの中の赤ちゃんに酸素や栄養を送り届け、不要な老廃物を外へ運ぶ重要な役割を果たします。出産後はすぐに切られ、そのほとんどは胎盤と一緒に体の外へ排出されます。産まれたばかりの赤ちゃんに付いているのはへその緒の一部(おへそから数cm程度)で、生後1〜2週間前後で乾燥し自然に取れます。
へその緒の長さと赤ちゃんへの影響
へその緒は通常、長さが50cm程度といわれています。個人差はありますが、長すぎたり短すぎたりする場合は、以下のようなリスクが考えられます。
へその緒が長い場合
へその緒が長すぎると、赤ちゃんが子宮内で動いた際に首や体に絡まる「臍帯巻絡(さいたいけんらく)」が起こる可能性があります。臍帯巻絡は珍しいことではなく、産まれてきた赤ちゃんの約3人に1人はどこかに巻絡を持っているといわれており、問題なく出産できる場合がほとんどです。しかし、締め付けが強かったり、何重にも巻き付いていたりすると、分娩時間が長くなったり、帝王切開が必要になったりすることもあります。また、へその緒の絡まり方によっては、血流が遮断され、赤ちゃんに十分な酸素や栄養が届かないこともあるので、胎動が普段より少ないと感じた場合は、速やかに病院を受診しましょう。

へその緒が短い場合
へその緒が短すぎると、赤ちゃんの動きに制限がかかり、行動空間が狭くなって赤ちゃんの成長が妨げられる場合があります。また、陣痛が始まっても赤ちゃんがなかなか下りてこなかったり、出産時に胎盤が早期に剥がれてしまったりするリスクが高まる可能性もあります。
妊婦健診では、超音波検査などを通じてこれらの問題を早期に発見し、適切な対応が行われます。産院との連携をとることで、母体と赤ちゃんの安全を守ることができるので、必ず妊婦健診を受けましょう。

へその緒は誰が切ってもいいの?
通常、へその緒を切る役割は医師や助産師が担います。海外ではパートナーやママ本人がへその緒を切る習慣のある国も多くみられますが、日本では出産する施設によって方針が異なります。ママと赤ちゃんの状態が良い場合に限り、パパや家族がへその緒を切ることを可能としている産院もありますので、希望する場合はよく相談しましょう。
へその緒のケア方法
出産後、へその緒は赤ちゃんのお腹で短く切られ、クリップで留められます。生後1〜2週間ほどで乾燥して自然にぽろっと取れますが、完全に乾くまでの間は、おへそのケアが必要になります。消毒グッズは産院からもらえることもあり、毎日の沐浴後に行います。

乾燥させて清潔を保つ
沐浴時、おへそに水がかかっても問題ありません。沐浴の後、綿棒などでしっかりおへその中の水分を吸い取って乾燥させましょう。産院から消毒薬をもらっている場合は、綿棒に消毒液を付け、おへそ周りをなぞるようにして消毒します。おへその表面だけでなく、根元のあたりまで行いましょう。おへそのジュクジュクが痛々しいと感じるかもしれませんが、赤ちゃんにとっては取れるべき場所で、痛くもなんともありません。細菌感染予防のため、怖がらずしっかりひだの間の水分をふき取り、乾燥させるようにしましょう。

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刺激を避ける
おむつの端がおへそとこすれないように注意しましょう。へその緒は自然に取れますので、強く動かしたり引っ張ったりしないようにしましょう。

おへそをよく観察する
おへそから透明な液や少量の血がにじむことがありますが、これはよくあることなので、様子を見ていても問題ありません。また、へその緒が取れてからも、おへそ周りのジュクジュクが治まるまではケアを続けることをおすすめします。赤みや腫れ、異臭、止まらない出血がある場合は医師に相談しましょう。

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へその緒がなかなか取れないときは?
生後2週間以上経っても、へその緒が取れる気配がない場合は、医師に相談しましょう。特に炎症や臭いがある場合は注意が必要です。

へその緒はなぜ保管するの?
日本では、取れたへその緒を特別な箱に入れて保管する習慣があります。これには「赤ちゃんとママがつながっていた証として残す」「へその緒を保管することで、赤ちゃんの健やかな成長と幸せを願う」などの意味が込められています。
へその緒を保管する際は、次のことに気をつけましょう。
- しっかり乾燥させる
- ケースに入れる
- 湿気の少ないところに保管する

へその緒は小さいので、無くさないように他の出産記念グッズといっしょに保管しておくのもおすすめです。
へその緒を入れるケースは、退院時に産院からもらえる場合もありますが、お店や通販サイトなどでお気に入りのデザインの箱を用意するのもいいですね。
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まとめ
へその緒は、母体と赤ちゃんがつながり成長するための大切な役割があります。へその緒が取れたら、赤ちゃんの誕生を記念して、また赤ちゃんとママのつながりの証として保管する方も多くみられます。へその緒の正しいケアに気をつけて、赤ちゃんが健康に成長することを見守ってくださいね。

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自分を変えようとするのっていいね
子供が強い と無理だよね
ポジティブだね